柳井(市)(読み)やない

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

柳井(市)
やない

山口県南東部、瀬戸内海に面した都市。瀬戸内海の平郡(へいぐん)島を含む。1954年(昭和29)柳井町と日積(ひづみ)、新庄(しんじょう)、余田(よた)、伊陸(いかち)の4村が合併して市制施行。同年平郡村、1956年阿月(あつき)、伊保庄(いおのしょう)の2村を編入。2005年(平成17)大畠町(おおばたけちょう)を合併。JR山陽本線、国道188号、437号が通じる。周防(すおう)大島との間に大畠瀬戸と柳井湾を控え、古代より西瀬戸内の要港として知られ、中世には楊井津(やないづ)といい対明(みん)貿易船の基地であった。近世は吉川(きっかわ)氏の岩国領となり、湾頭には古開作(こがいさく)、浜開作、宮本開作など干拓地が造成され、製塩と柳井木綿の産地として栄えた。現在も古市金屋(ふるいちかなや)地区の町並みには国森(くにもり)家住宅(1769年築造、国指定重要文化財)など白壁造の商家が並び、当時の商都柳井の景観をとどめ、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。明治期には内海水運や山陽鉄道(1897年開通)によって、問屋商業の町としてさらに発展し、県東部に広い商圏を確立したが、大正期以降は工業化も進まず停滞した。1965年周南(しゅうなん)工業整備特別地域の一部に指定され、塩田跡地に日立製作所の工場(ルネサスセミコンダクタ、2015年閉鎖)が設置された。1990年には中国電力柳井発電所が運転を開始している。商工業が主体。県営柳井港は、平郡島などへの定期航路の基地で、四国松山港との間にはフェリーなどが就航している。また周防大島とは大島大橋で結ばれている。国指定史跡茶臼山古墳(ちゃうすやまこふん)は日本最大級の製鏡(ぼうせいきょう)を出土した前方後円墳で、周囲は茶臼山古墳公園となっている。余田臥竜梅(がりゅうばい)は国指定天然記念物。面積140.05平方キロメートル、人口3万2945(2015)。[三浦 肇]
『『柳井市史』全3巻(1964~1988・柳井市)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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