指導の場が学校外の生徒指導をいい、校外指導の理念や原理は、生徒指導と同様である。ただ指導の場が学校外であることから、直接指導・助言をする者は教師はもとより、父母や地域の有志や団体の指導者が加わって、それぞれが連携して展開される。指導の形態としては、次のようなものがあげられる。
(1)好ましくない社会環境から児童・生徒を守り事故や不良化を防止するために、教師が父母や地域団体や機関と協力して行う保護的・防止的活動
(2)学校、家庭、地域団体などが、児童・生徒の健全育成を目ざして、自然体験活動や社会体験活動などの活動を与える発達的・育成的活動
(3)校外に子供会、ボーイスカウト、ガールスカウトなどの青少年団体を組織してそれに児童・生徒が加入することにより、彼らの人格形成をよりいっそう適切なものにする団体的育成活動
学校の校外指導に限定すると、次のような指導上の留意点があげられる。
(1)児童・生徒の発達段階や地域の特性を考慮して指導方法をくふうする
(2)校外生活班など、ある一定の単位のグループに活動をゆだねる校外指導では、できるだけその活動の計画づくりや実施において、児童・生徒が自主的に行うことができるようにする
(3)校外指導では、学校、家庭、地域社会の人々や施設などを活用できるよう、三者の十分な連携によって進められるようにする
(4)児童・生徒が強い集団意識をもって校外活動に取り組むようになるために、児童・生徒の素朴な意見や自主性を尊重しながら指導する
1980年代後半に、それまで社会教育的活動と考えられていた校外指導としての体験活動が、学校の教育課程内の活動に位置づけられた。小・中・高等学校では、まず集団宿泊生活を青年の家や少年自然の家などで行い、そこでキャンプなどによる自然体験活動が実施された。さらに、校外の老人ホームなどを訪問してボランティア活動を行ったり、地域社会の商店・工場などへ数日通って、勤労体験活動を行うなどの社会体験活動が展開されている。
大人たちが中心となる校外補導とともに、学校の教育課程内の活動としての校外指導により、児童・生徒が中心になって校外において活動するようになった。これは、学校教育と社会教育の連携、そして融合への方向を目ざすものであり、今後ますます重視されるアプローチ(指導方向)であろう。
[坂本昇一]
『坂本昇一著『生徒指導と学級活動・体験学習』(1990・文教書院)』▽『坂本昇一編『新学力観に立つ体験学習の工夫と展開』(1995・教育開発研究所)』▽『文部省生涯学習審議会編『生活体験・自然体験が日本の子どもの心をはぐくむ』(1999・文部省)』
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