植物の根の影響を周辺に受けている土壌領域をいう。植物の種や根の新旧の程度によって,その領域の大きさは異なるが,根の表面から5~20mmの範囲を指す場合が多い。この領域の土壌環境は,それ以外の非根圏土壌とは著しく異なっている。植物の根は土壌中から養水分を吸収するため,根圏土壌では無機塩類の濃度や水分含量が低下する。また根の旺盛な呼吸作用に対応して,根圏では二酸化炭素が増加し酸素が減少する。さらに根冠や根毛の脱落,あるいは粘液物質の排出によって,根圏には有機物が増加してくる。このような根圏の特異的な環境に対応して,そこに繁殖する微生物,すなわち根圏微生物は,量質ともに非根圏土壌の微生物とは著しく異なったものとなっている。土壌の単位重量当りに存在する根圏微生物数Rと非根圏微生物数Sとの比R/Sは,根圏効果と呼ばれ,根圏の性質を示す一つの指標とされているが,この数値は,畑土壌では数百に達する場合が知られている。水田土壌では一般にこの値は低い。根圏微生物が土壌中で果たす役割については,なお不明の点が少なくないが,有機物の分解や合成,難溶性物質の溶解,ビタミンや植物ホルモンの合成などを通じて,各種の影響を植物に及ぼしているものと考えられる。とくに根粒細菌や菌根を形成する菌類など,植物との共生関係が明らかにされているものもあれば,また病原微生物のように,植物の生育に悪影響を及ぼすものも知られている。作物の栽培という視点からみた場合,根圏は忌地(いやち)の主要因の一つである土壌病原微生物の増殖および,伝染の場であり,一方,窒素固定その他の機能を通じて,微生物が作物の生育に有利に働く可能性を秘めた場でもある。
執筆者:山崎 耕宇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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