根毛(読み)コンモウ

デジタル大辞泉 「根毛」の意味・読み・例文・類語

こん‐もう【根毛】

根の先端近くに出る細長い突起養分水分吸収を行う。
[類語]根っこ根もと球根根方主根側根髭根百合根蓮根

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精選版 日本国語大辞典 「根毛」の意味・読み・例文・類語

こん‐もう【根毛】

〘名〙 植物の若い根の表皮細胞が変形してできた毛。根の先端からやや上部伸長のとまった部分に密生し、水分や養分を吸収。数日から数週間で脱落またはコルク化する。水生植物にはないことが多い。〔生物学語彙(1884)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「根毛」の意味・わかりやすい解説

根毛 (こんもう)
root hair

の表皮起源の単細胞性の毛で,吸収毛の一種。根は表面から水を直接吸収することもあるが,多くの場合は根毛から吸収する。地上部と違って,根には付属物が分化することが少ないが,根毛はその少ない例の一つである。土壌の粒のまわりに密着し,根の支持の働きを強める役割も果たしている。根毛細胞はふつう細胞壁が薄く,核は先端に位置している。短命で,古くなると根毛の機能を果たさなくなる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「根毛」の意味・わかりやすい解説

根毛
こんもう

根の先端近くにあり、表皮細胞の一部が細く突き出してできた毛。根は土中の水や無機塩の吸収の働きをするが、その大部分クチクラを欠き、薄い細胞壁をもつ根毛を通して行われる。多数の根毛は根の表面積を著しく増大させて吸収の能率をあげる。根毛は根の先端からすこし隔たり伸長成長の終わったところに突起として発生し、突起の先端部が成長して土中に分け入る。根毛は短命で、普通は数日でその働きを失って、順々に枯死していく。

[西野栄正]


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世界大百科事典(旧版)内の根毛の言及

【根】より

…茎には通常不定根をつくる能力があり,生長促進物質,とくにオーキシンには不定根を新生させる性質があることが知られている(図1)。
[根の形態]
 根の基本的な構造としては,(1)表皮,(2)根毛,(3)根冠,(4)皮層,(5)中心柱などがある(図2)。(1)表皮 表皮組織は原則的には茎のものと同じであるが,地中ではクチクラが発達しなかったり,気孔が形成されなかったりする。…

※「根毛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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