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横谷宗珉 よこやそうみん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

横谷宗珉
よこやそうみん

[生]寛文10(1670)
[没]享保18(1733).8.6. 江戸
装剣金工師。横谷宗与の子。通称長二郎のち治兵衛。初め江戸幕府彫物御用の後藤家 (→後藤派 ) の下地師として宗知と名のっていたが,元禄初年 (1690頃) 扶持を離れて独立,宗 珉と改名した。狩野探幽,安信,英 (はなぶさ) 一蝶などの作品を下絵に応用し絵風彫刻を創始片切彫 (かたきりぼり) を得意として町彫 (まちぼり) の宗家となった。門下に古川元珍大森英昌柳川直政らを生んだ。

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デジタル大辞泉の解説

よこや‐そうみん【横谷宗珉】

[1670~1733]江戸中期の装剣金工家。江戸の人。晩年、遯庵(とんあん)と号す。後藤家の下職から出発して町彫りを創始。片切り彫りの彫法を大成し、絵画風の自由な意匠を表現した。

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世界大百科事典 第2版の解説

よこやそうみん【横谷宗珉】

1670‐1733(寛文10‐享保18)
江戸時代の装剣金工,横谷家2世。江戸に生まれ,後藤殷乗門人である初代横谷宗与の実子とも養子ともいう。はじめ父以来の幕府御彫物役を勤めていたが,後藤家の因襲にとらわれた家彫(いえぼり)に飽きたらず,役を辞し,自由な題材,材質,構図などをとり入れ,当時の彫金界に一世を風靡した。作品は小柄(こづか),笄(こうがい),目貫(めぬき),縁頭(ふちがしら)と多岐にわたり,赤銅魚々子(ななこ)地に肉高の高彫色絵のほか,四分一地に彼の創意になる片切彫があり,図柄は虎,獅子,獅子牡丹,一輪牡丹などが多い。

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大辞林 第三版の解説

よこやそうみん【横谷宗珉】

1670~1733) 江戸中期の金工。号、遯庵。徳川家の金工横谷宗与の子に生まれ、幕府に仕える。それまでの家彫り(後藤彫)に対し、片切彫り・絵風彫金など自由な作風を創造。扶持を辞して町彫りの宗家となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

横谷宗
よこやそうみん
(1670―1733)

江戸中期の装剣金工師。通称は長二郎、のち次兵衛(じへえ)、晩年は遯庵(とんあん)と号した。幕府御彫物役を勤め家彫(いえぼり)と称された後藤家の下地(したじ)職、横谷家初代宗与(そうよ)の実子とも養子ともいわれる。京都に生まれ江戸に在住したが、因襲にとらわれた家彫の彫法に飽き足らず、父以来の役を辞し、自由な題材、材質、構図による絵画的な新作風を展開し、家彫に対する町彫(まちぼり)を創立した。作品は小柄(こづか)、笄(こうがい)、目貫(めぬき)、縁頭(ふちがしら)など多岐にわたり、赤銅魚々子(しゃくどうななこ)地に高肉彫(たかにくぼり)色絵を施す技法のほか、四分一(しぶいち)(朧銀(ろうぎん))地に宗創始による片切彫(かたきりぼり)のものがある。題材は獅子(しし)、牡丹(ぼたん)、馬、虎(とら)などが選ばれ、英一蝶(はなぶさいっちょう)の下絵になる作も現存している。代表作に『赤銅牡丹獅子揃物(そろいもの)』『十六疋(ひき)獅子図三所(みところ)物』『二王二所(ふたところ)物』などがある。一門に子の宗与、横谷英精、柳川直政(なおまさ)、大森英昌(えいしょう)、古川元珍(げんちん)らがいるが、横谷家はその後あまり振るわず、門下の分派が大いに栄えた。[原田一敏]

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世界大百科事典内の横谷宗珉の言及

【後藤祐乗】より

…これに対して,同じころ町彫という自由な感覚で製作する一派があらわれ,その繁栄に圧倒されるに至った。だが,町彫の祖といわれる横谷(よこや)宗珉も,もともとは後藤家7代顕乗の三男である殷乗門下で,後藤家の流れをくんでいる。後藤宗家は祐乗以後,宗乗―乗真―光乗―徳乗―栄乗―顕乗―即乗―程乗―廉乗―通乗―寿乗―延乗―桂乗―真乗―方乗―典乗と17代続いた。…

【彫金】より

…〈片刀彫(かたきりぼり)〉は,文様の輪郭線を彫る際に切口の片側を斜めに彫っていく,絵画の付立(つけたて)画法の筆意をそのまま彫り込む技法。江戸時代に横谷宗珉(よこやそうみん)によって始められ,幕末・明治に活躍した加納夏雄は名手といわれる。 〈透彫〉は,器物に文様や地文を切り透かす技法。…

【鐔∥鍔】より

…江戸中期になると太平の世となって,鐔も他の装剣金具と同様にますます華美となり,高彫色絵や象嵌のほか,肉合(ししあい)彫,片切彫など新しい技法が開発された。横谷宗珉は後藤家流の技法を汲む家に生まれながらその作風にあきたらず,構図に新生面を築いたほか,片切彫を創始し,以後の工人に大きな影響を与えた。また奈良三作の土屋安親,奈良利寿(としなが),杉浦乗意も斬新な意匠と独自の彫技をみせている。…

※「横谷宗珉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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