日本歴史地名大系 「樺山遺跡」の解説
樺山遺跡
かばやまいせき
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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岩手県北上市稲瀬町字大谷地,北上高地の西麓にあたる北上川左岸の河岸段丘上に立地する縄文時代前期~後期の遺跡。配石遺構を伴うことで知られる。1951年以降,岩手県教育委員会や北上市教育委員会によってしばしば発掘調査が行われた。遺跡は東西に細長くひろがり,その西部に前・中期の竪穴住居跡,炉跡,貯蔵穴,甕棺遺構,遺物包含層が発見されている。中央部には中期に属する配石遺構が32基検出されている。立石の周囲に平石を配した小型のもので,配石下には小さな竪穴を伴う場合がある。秋田県の大湯環状列石のような環状の配列はみられない。北西部には中・後期の遺物包含層,甕棺遺構,簡単な配石などが発見されている。出土品は前期末~後期初頭の土器が多数あり,土器研究の良好な資料となっている。そのほか土偶,スタンプ状土製品,玦状(けつじよう)耳飾,石鏃,石皿などがあり,北上市立博物館で展示されている。
執筆者:藤沼 邦彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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