橘三千代(読み)タチバナノミチヨ

デジタル大辞泉 「橘三千代」の意味・読み・例文・類語

たちばな‐の‐みちよ【橘三千代】

県犬養橘三千代あがたいぬかいのたちばなのみちよ

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精選版 日本国語大辞典 「橘三千代」の意味・読み・例文・類語

たちばな‐の‐みちよ【橘三千代】

  1. あがたいぬかいのみちよ(県犬養三千代)

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改訂新版 世界大百科事典 「橘三千代」の意味・わかりやすい解説

橘三千代 (たちばなのみちよ)
生没年:?-733(天平5)

天武,持統文武,元明,元正の5朝に任えた女官。もと県犬養(あがたいぬかい)三千代と称する。県犬養東人(あずまひと)の娘。天武朝に出仕するのと前後して美努(みの)王と結婚し,684年(天武13)葛城かつらぎ)王(橘諸兄)を生み,前年誕生した軽(かる)皇子文武天皇)の乳母となり,次いで佐為(さい)王(橘佐為),牟漏(むろ)女王(藤原房前(ふささき)室)を生んだ。後に藤原不比等(ふひと)に接近し,彼の長女宮子を文武天皇夫人とすることに成功して急速に親密となり,ついに美努王のもとを去り不比等と再婚した。701年(大宝1)宮子が首(おびと)皇子(聖武天皇)を生むと,三千代もまた不比等の第3女安宿媛(あすかべひめ)(光明皇后)を生み,再び乳母となって首皇子を養育した。このため,持統・元明女帝の信任はすこぶる厚く,これが不比等を側面からたすける力ともなった。708年(和銅1)元明天皇即位の大嘗祭に当たって永年の功労を賞され,坏にうかぶ橘にちなんで橘姓を賜った。716年(霊亀2)安宿媛を首皇太子の妃とすることに成功したが,720年(養老4)には夫不比等を失った。翌年元明上皇の病篤しと聞くや直ちに入道して回復を祈った。出家後も一貫して藤原氏興隆に尽力した。733年没すると従一位を贈られ,760年(天平宝字4)には正一位大夫人を贈られた。736年先夫の遺児葛城王佐為王は母の死により橘姓の絶えることを恐れ,母姓を継ぐことを願って許され,橘諸兄,同佐為と名のった。これが橘氏の起源である。
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百科事典マイペディア 「橘三千代」の意味・わかりやすい解説

橘三千代【たちばなのみちよ】

天武天皇から元正(げんしょう)天皇の5代に仕えた女官。県犬養(あがたいぬかい)三千代とも。県犬養東人(あずまひと)の娘。初め美努(みの)王に嫁し,葛城(かずらき)王(後の橘諸兄(もろえ))を産んだ。文武天皇のお守役として宮中に非常な勢力があり,708年橘の姓を賜った。のち藤原不比等(ふひと)に嫁し,安宿媛(あすかべひめ)(光明(こうみょう)皇后)を産んだ。
→関連項目橘氏橘夫人念持仏厨子

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旺文社日本史事典 三訂版 「橘三千代」の解説

橘三千代
たちばなのみちよ

?〜733
奈良時代,光明皇后の母
初め美努 (みぬ) 王に嫁し葛城王(橘諸兄)らを生み,のち藤原不比等に嫁した。娘光明子を聖武天皇の皇后,多比能 (たびの) を諸兄の夫人とし,藤原・橘両氏繁栄の基礎を築いた。法隆寺に橘夫人念持仏を残している。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「橘三千代」の解説

橘三千代 たちばなの-みちよ

県犬養三千代(あがたのいぬかいの-みちよ)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「橘三千代」の意味・わかりやすい解説

橘三千代
たちばなのみちよ

県犬養橘三千代

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「橘三千代」の意味・わかりやすい解説

橘三千代
たちばなのみちよ

県犬養橘三千代」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の橘三千代の言及

【県犬養氏】より

…神魂命(かむむすひのみこと)の後裔と称する神別氏族で,本姓は連(むらじ)であったが,672年の壬申の乱に一族の大伴が大海人皇子の舎人として功を立て,684年(天武13)八色の姓(やくさのかばね)の制定にともなって宿禰(すくね)姓を改賜された。一族の三千代(橘三千代)は天武朝から元正朝までの5朝に歴任し,元明天皇から橘氏を賜った。彼女は夫藤原不比等を助けるかたわら,同族の繁栄をはかり,県犬養広刀自を聖武天皇の夫人とした。…

【橘氏】より

…古代に勢力をもった氏。県犬養三千代が708年(和銅1)11月,歴代の天皇に仕えた功により橘宿禰の氏姓を賜った(橘三千代)。ついで736年(天平8)11月,美努王との間の子の葛城王と佐為王は臣籍に下って母の氏姓をつぎたい旨を上表して認められ,橘宿禰諸兄および同佐為(さい)と名のるようになった。…

※「橘三千代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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