翻訳|captain
航空機内の全乗組員の指揮監督にあたる職員で,民間機ではふつう正操縦士を兼ねる。機長は運航の任にあたるだけでなく,機内の治安等について警察権に準ずる強制力を行使することができ(ただし,司法権は与えられていない),事実上,機内では最高責任者の立場にある。しかし,大きな権限が与えられている反面,たとえば最後退避の義務などの厳しい条件が課せられてもいる。民間輸送機の機長となるためには,航空法に規定されている定期運送用操縦士等の免許を得たうえ一定時間以上の飛行経験を積み,さらに官庁や所属する会社の定めるさまざまな資格を取得しなければならない。航空機の機能および運用が複雑化し乗客・乗員の数が増えるにつれ,機長には運航技術面での能力・知識に加えて総合的な判断力,規律遵守の意志,指揮・統率力などの面でもいっそう優れた資質が要求されるようになり,また先端技術機の普及につれて電子機器への正確な理解も必須の条件となってきた。
→航空機乗組員
執筆者:関川 栄一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…船員のうち,船舶に乗り組んで他の船員を指揮するとともに,船舶および積荷を合わせた一つの海上財団を管理運航する者をいう。古代ローマでは,船の技術上の最高責任者ではあるものの,船主の奴隷としての地位にあり,中世においては共同企業の経営者の1人がこれに当たるのがふつうであった。近世に至り資本主義のもとに海運業が発達するに伴い,現在の形態のように船舶所有者の被雇用者の地位に立つことになった。人命,船舶および積荷の安全に深く関与するため,その資格については〈船舶職員法〉によってきびしく規定されている。…
※「機長」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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