欽差大臣(読み)キンサダイジン(その他表記)Qīn chāi dà chén

デジタル大辞泉 「欽差大臣」の意味・読み・例文・類語

きんさ‐だいじん【×欽差大臣】

中国代におかれた臨時官職皇帝直属で、内乱鎮圧・対外重要問題処理などを担当した。

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精選版 日本国語大辞典 「欽差大臣」の意味・読み・例文・類語

きんさ‐だいじん【欽差大臣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 勅命によって派遣される大臣
    1. [初出の実例]「毎年蒙古王より欽差大臣を遣て国内を巡行せしめ」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉二)
  3. 中国の清の時代、皇帝から臨時に権限を与えられて重大事件を処理した大臣、また、外国に派遣された公使。清では特命全権大使に当たる。〔清会典事例‐兵部・郵政・駅禁一〕

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改訂新版 世界大百科事典 「欽差大臣」の意味・わかりやすい解説

欽差大臣 (きんさだいじん)
Qīn chāi dà chén

中国,清代,臨時に特設された官職で,特命全権に相当する。Imperial Commissioner,High Commissionerと英訳される。ある現職についている官僚特定任務を帯びて臨時に皇帝から派遣されるものを欽差官といい,そのうち三品以上の大官を欽差大臣という。特に重要なのは外交問題の場合で,アヘン戦争における林則徐の例は有名である。清末の南・北洋大臣も欽差大臣の資格をもち,また外国へ派遣される公使を大清欽差出使大臣と呼んだ。他方,中国駐在の外国使節も欽差大臣と自称した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「欽差大臣」の意味・わかりやすい解説

欽差大臣
きんさだいじん

中国、明(みん)・清(しん)時代の官僚任命の一形式。官職についている者が、内乱、戦争、外交交渉など特定の事件の処理のため、臨時に任務を与えられて派遣されることが欽差であり、欽差官のなかでも三品以上の上級官を欽差大臣と称する。清末に外交交渉の任にあたった多くの者は欽差大臣として派遣されている。明代では欽差大臣であった総督、巡撫(じゅんぶ)、さらに学政、粤海関(えっかいかん)監督などは、清代になると常設化した官職となった。

[細谷良夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「欽差大臣」の意味・わかりやすい解説

欽差大臣
きんさだいじん
Qin-chai da-chen; ch`in-ch`ai ta-ch`ên

中国,清代の臨時官職名の一つ。皇帝が特定の重要事件を処理させるため,特に臨時の権限を与えて任命派遣させた三品以上の大官をいう。本来,欽差官とは皇帝から重大事件を処理するため特に派遣された者に対する呼称で,明代に始る制度。清では,明制を継承したが,四品以下の欽差官員と区別し,欽差大臣の派遣にあたっては,欽差大臣関防と記した印を授けて携行させた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「欽差大臣」の解説

欽差大臣
きんさだいじん

中国の清代,臨時に設置された官職名
皇帝から特定の任務における全権を委譲されて派遣されたものの中で,位が三品以上の大官をさす。アヘン問題が紛糾した際に広州に派遣された林則徐が有名。

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