デジタル大辞泉
「巡撫」の意味・読み・例文・類語
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じゅん‐ぶ【巡撫】
- 〘 名詞 〙
- ① 地方を巡回して、人民の心を安んじなだめること。
- [初出の実例]「是日。車駕巡二撫新京百姓一焉」(出典:続日本紀‐和銅二年(709)九月乙卯)
- [その他の文献]〔班固‐竇車騎北征頌〕
- ② 中国の官名。宋代および明・清の時代に各省に置かれ、一省の刑政・民治をつかさどり、あわせて軍務を治めた。〔宋史‐職官志・一〇〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「巡撫」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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巡撫 (じゅんぶ)
xún fǔ
中国,明・清の地方長官。巡撫とは〈巡行撫民〉の意で,1391年(洪武24)皇太子が陝西を巡撫したのがこの名の起りといわれ,その後しばらくは中央から臨時に派遣される性格のものであったが,1430年(宣徳5)六部侍郎(各省次官)を要地に派遣して租税徴収の監督をさせたころから,地方民政に関与する常駐の地方長官としての性格にかわり,15世紀中ごろに定制となって明末にはその数が20余に及んだ。本来は文官であるが軍事を兼ねることが多く,総督と合わせて督撫ということもある。清も明制に従って総督とともに1省の長官としたが,総督の品級が従一品であるに対して巡撫は従二品で,その管轄区域も通常,総督は2,3省を兼轄するが巡撫は1省を専管し,省により総督・巡撫を併任するところと,総督のみ,巡撫のみのところがある。総督は軍政を重んじて民政を兼ね,両者の職権に差はほとんどなく,同等の資格をもって皇帝に直属した。
執筆者:谷 光隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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巡撫
じゅんぶ
明〜清代の地方長官名
明の初め(1391または1411),臨時に地方に派遣し巡行させたのに始まる。明末期は常駐の地方官となり,清もこれにならって1省に1巡撫を置き,完全な地方長官となった。同様の経過をたどった総督が2・3省の軍事・民政を司ったのに対し,巡撫はおもに1省の民政を司った。清代には8総督・16巡撫があり,総督は巡撫の1級上位であったが,従属関係はなかった。しかし,のちしだいに巡撫は総督の次官のようになった。清末期の光緒年間に総督駐在の省の巡撫を廃止し,総督の駐在しない省の巡撫を独立させたので,両者はともに各省の長官のようになった。両者を略称して督撫 (とくぶ) という。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
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巡撫
じゅんぶ
xun-fu; hsün-fu
中国,明・清時代の地方長官。巡行撫民の略で,その名は明の洪武・永楽時代からあり,初めは中央から派遣される臨時の職であった。宣徳年間 (1426~35) 頃から主要地方に常設され,省またはその一部を管轄。本来文官であるが軍事を兼ねることが多く,都御史の肩書をもち,省の布政,按察,都指揮三司の上に立つ地方長官の実質をもっていた。清も明制に従って巡撫を省の長官とした。その地位は2,3省を管轄する総督より少し低いが,資格は同等で皇帝に直属した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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巡撫(じゅんぶ)
明清時代の地方長官的な官職。巡行撫民にもとづく呼称。明初の巡行的役割からしだいに常駐の地方長官的役割に移行し,清では1省1巡撫として制度的に強化され,民政,軍務などに関与した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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