(読み)ゴウ

デジタル大辞泉 「毫」の意味・読み・例文・類語

ごう【毫】[漢字項目]

[音]ゴウ(ガウ)(呉)
細い毛。「毫毛白毫びゃくごう
ごくわずかなもの。「毫末一毫寸毫
小数の名。一厘十分の一。「毫釐ごうり
毛筆。「揮毫

ごう〔ガウ〕【×毫】

《細い毛の意》
目方または長さの単位。1毫は1りんの10分の1。もう
きわめてわずかなこと。→ごう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「毫」の意味・読み・例文・類語

ごうガウ【毫】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 長くとがっている細い毛。〔淮南子‐俶真訓〕
  3. (ふで)。筆の穂。
    1. [初出の実例]「含毫振藻。式賛高風云爾」(出典懐風藻(751)秋日於長王宅宴新羅客〈山田三方〉)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐奉和賈至舎人早朝大明宮詩〕
  4. 目方または長さの単位。釐(り)の十分の一。毛(もう)。〔謝察微算経〕
  5. 極めてわずかなこと。→毫(ごう)も
    1. [初出の実例]「藻鏡和光毫不失、琁璣遠映徳彌昭」(出典:菅家文草(900頃)二・重陽日侍宴紫宸殿同賦玉燭歌)
    2. [その他の文献]〔呂氏春秋‐処方〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「毫」の読み・字形・画数・意味


11画

[字音] ゴウ(ガウ)
[字訓] ふで・わずか

[字形] 形声
声符は高(こう)の省文。〔説文〕にこの字を収めず、古くはおそらく豪と同字であったのであろう。〔孟子、梁恵王上〕に「は以て秋毫の末を察するに足る」とあり、秋に生え代わった獣の毛である秋毫を以て、ものの極めて微細なるものにたとえる。獣毛で筆を作るので筆毫といい、筆を用いることを揮毫という。字が高声をとるのは、おそらく高、また白の意を含むのであろう。字はまた豪に作る。

[訓義]
1. ながいけ、ほそいけ、さおげ。
2. ほそい、こまかい、わずか。
3. ふで、ふでのほ。
4. 豪と通じ、獣毛。

[古辞書の訓]
名義抄〕毫 フムデ・サヲゲ 〔字鏡集〕毫 サヲゲ・ナガキケ・フムケ・コハクマガレルナ(ケ)

[語系]
毫・豪huは同声。高khとの声義の関係が考えられる。

[熟語]
毫穎・毫・毫管・毫毫揮・毫光毫忽毫犀・毫糸・毫紙毫錐毫繊毫銛・毫素・毫端毫楮・毫・毫・毫髪毫眉・毫分・毫・毫毫墨・毫末・毫毛毫余毫釐毫厘・毫
[下接語]
一毫・援毫・割毫・簡毫・含毫・揮毫・吟毫・勁毫・涓毫・健毫・彩毫・散毫・糸毫・詩毫・寿毫・秋毫・修毫・柔毫・寸毫・析毫・牋毫・鼠毫・霜毫・長毫・舐毫・毫・禿毫・白毫・微毫・筆毫・分毫・剖毫・鋒毫・雄毫・揺毫・斂毫・狼毫

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android