民間外交(読み)ミンカンガイコウ

デジタル大辞泉 「民間外交」の意味・読み・例文・類語

みんかん‐がいこう〔‐グワイカウ〕【民間外交】

政府関係者によらず、民間人によって行われる外交芸術学術スポーツなどによる親善外交などが中心となる。

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精選版 日本国語大辞典 「民間外交」の意味・読み・例文・類語

みんかん‐がいこう ‥グヮイカウ【民間外交】

〘名〙 政府関係者によらずに芸術、文化、スポーツなどを通じ民間人によって行なわれる親善外交の一種

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改訂新版 世界大百科事典 「民間外交」の意味・わかりやすい解説

民間外交 (みんかんがいこう)

政府の公式レベル以外で行われる外交。通常の外交の形態は政府間レベルで,たとえば二国間の外務当局者の間で行われる。このような外交の態様に,20世紀に入って,とくに第1次大戦を契機に変化が生じ,民間外交が多くなった。この傾向はとくに第2次大戦後著しい。このような傾向を生んだ要因としては,(1)国民が国際問題に対する関心を増大させ,自分たちの考えを反映させようとする意欲が増大したこと,(2)国家間に発生する問題が多様化し,これらに対応するためには政府の公的機構内部の人間や資源だけでは十分ではないことがしだいにはっきりしてきたこと,(3)交通・通信手段面での技術革新が進み,民間レベルでの国家間の活発な交流を可能にする条件が生まれてきたこと,などがあげられよう。民間外交の形態としては,2ヵ国(または数ヵ国)の経済界の代表団どうしで貿易,金融,開発などの問題について交渉し,民間協定を結ぶといったことから,民間の学術・スポーツ団体間の交流,あるいは都市間の国を超えた提携・交流など多様なものがあげられる。また1950年代や60年代の日中関係のように正式の国交関係のない場合には,とくに民間外交の占める比重は大きく,公式外交の欠落を補てんする機能を営み,さらに公式外交の開設を準備する役割を果たす。正式の国交関係の存在する国家間では,公式外交を補完する機能をもつ。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「民間外交」の意味・わかりやすい解説

民間外交
みんかんがいこう

政府間の公式の外交に対して,民間レベルで行われる外交。領域は学問,芸術,スポーツから,経済,政治にまでわたる。たとえば日米財界人の交流にみられるように,公式の外交関係を補完する場合もあるが,公的機関とはまったく別のレベルで民間人や諸団体が,文化,経済,政治関係の交流を行う場合もある。後者の場合は人民外交とも呼ばれ,1972年9月の国交樹立以前の日中関係にみられたように,国交のない国同士の間に多く行われる。

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