政府の公式レベル以外で行われる外交。通常の外交の形態は政府間レベルで,たとえば二国間の外務当局者の間で行われる。このような外交の態様に,20世紀に入って,とくに第1次大戦を契機に変化が生じ,民間外交が多くなった。この傾向はとくに第2次大戦後著しい。このような傾向を生んだ要因としては,(1)国民が国際問題に対する関心を増大させ,自分たちの考えを反映させようとする意欲が増大したこと,(2)国家間に発生する問題が多様化し,これらに対応するためには政府の公的機構内部の人間や資源だけでは十分ではないことがしだいにはっきりしてきたこと,(3)交通・通信手段面での技術革新が進み,民間レベルでの国家間の活発な交流を可能にする条件が生まれてきたこと,などがあげられよう。民間外交の形態としては,2ヵ国(または数ヵ国)の経済界の代表団どうしで貿易,金融,開発などの問題について交渉し,民間協定を結ぶといったことから,民間の学術・スポーツ団体間の交流,あるいは都市間の国を超えた提携・交流など多様なものがあげられる。また1950年代や60年代の日中関係のように正式の国交関係のない場合には,とくに民間外交の占める比重は大きく,公式外交の欠落を補てんする機能を営み,さらに公式外交の開設を準備する役割を果たす。正式の国交関係の存在する国家間では,公式外交を補完する機能をもつ。
執筆者:細谷 千博
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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