気高(読み)けだかい

精選版 日本国語大辞典 「気高」の意味・読み・例文・類語

け‐だか・い【気高】

〘形口〙 けだか・し 〘形ク〙 (古くは「けたかし」)
身分が高い。高貴である。
源氏(1001‐14頃)蜻蛉「生き給ての御宿世は、いとけたかくおはせし人の、げに亡きかげに、いみじき事をや疑はれ給はんと思へば」
② 高貴の人のような感じである。品格が高い。気品がある。上品な感じである。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「宮は、いとらうらうじう、けたかく、ものものしき顔してゐ給へり」
けだか‐げ
〘形動〙
けだか‐さ
〘名〙

き‐だか【気高】

〘形動〙 自尊心が強く、高慢なさま。気位(きぐらい)が高いさま。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「気高」の意味・わかりやすい解説

気高
けたか

鳥取県中北部、気高郡にあった旧町名(気高町(ちょう))。現在は鳥取市の西部を占める地域。1955年(昭和30)浜村町と酒津(さけのつ)、宝木(ほうぎ)、瑞穂(みずほ)、逢坂(おうさか)の4村が合併して成立。2004年(平成16)国府(こくふ)町、河原(かわはら)町、用瀬(もちがせ)町、鹿野(しかの)町、青谷(あおや)町、福部(ふくべ)村、佐治(さじ)村とともに鳥取市に編入。名称の「気高」は旧郡名にちなむ。旧町域は、北は日本海に臨み、JR山陰本線、国道9号が通じる。旧溺れ谷(おぼれだに)の埋積平野は砂丘で縁どられ、冬季に潟湖(せきこ)状となる水尻(みずしり)池を抱く。米作のほか、水耕栽培によるサラダ菜、ショウガ、葉タバコ、ナシなどがつくられる。中心の浜村は民謡貝殻節』で知られた温泉町。船磯(ふないそ)と酒津は江戸時代からの漁村で、西方の長尾(ながお)岬台上の魚見台は好展望点。宝木と水尻の伝統行事菖蒲綱(しょうぶつな)は「因幡の菖蒲綱引き(いなばのしょうぶつなひき)」の名称で国の重要無形民俗文化財に指定されている。県の保護文化財では、酒津東昌寺の切支丹灯籠(キリシタンどうろう)と常松(つねまつ)の木造薬師如来坐像(ざぞう)、県の無形民俗文化財では姫路(ひめじ)神社の「百手の神事(ももてのしんじ)」がある。この神事は、二夜三日間潔斎(けっさい)した神官が、的を弓で射て五穀豊穣(ほうじょう)を祈るもの。秋には牛舌(うしのした)祭がある。日本海岸一帯は西因幡県立自然公園。海水浴場が観光客を集める。

[岩永 實]

『『気高町誌』(1977・気高町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「気高」の意味・わかりやすい解説

気高
けたか

鳥取県東部,鳥取市北西部の旧町域。日本海に面する。 1955年浜村町と酒津村,瑞穂村,逢坂村,宝木村の4村が合体して気高町が発足。 2004年鳥取市に編入。東部を河内川が北流し,海岸には浜村砂丘および宝木砂丘が発達。砂丘地ではタバコの栽培が盛んであったが,現在は花卉,ナシを栽培。酒津,船磯の小漁港では沿岸漁業が行なわれる。民謡の『貝殻節』はこの沖合いのホタテガイ漁をうたったもの。中心集落の浜村は温泉町として発展している (→浜村温泉 ) 。一部は西因幡県立自然公園に属し,国の重要無形民俗文化財の菖蒲綱引き行事を伝える。

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改訂新版 世界大百科事典 「気高」の意味・わかりやすい解説

気高 (けたか)

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