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水落遺跡 みずおちいせき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水落遺跡
みずおちいせき

奈良県中部,明日香村飛鳥字水落に所在する飛鳥時代水時計台遺跡。1976年奈良国立文化財研究所(→奈良文化財研究所)の 1次調査で特異な楼閣状遺構を検出,翌 1977年国の史跡に指定された。1981年の 2次調査で,貼石を有する 1辺 22.5mの正方形版築基壇上に,地中梁工法を用いた 4間×4間,1辺 11.2mの高楼状礎石建物の存在が判明した。建物の規格は唐尺による設計と推定。基壇中央部より巨大な長方形土壙(どこう)を検出し,その内部に切石基壇を設け,漆塗木箱を安置,飛鳥川より引いた水を木樋・銅管で供給する半地下式の施設があった。また遺跡からは 7世紀後半でも早い時期の土器が見つかった。以上と『日本書紀』斉明天皇6(660)年の条の「皇太子,初めて漏刻を造る。民をして時を知らしむ。」の記事との対応から,中大兄皇子(→天智天皇)によって日本で最初につくられた漏刻台(陰陽寮所属の水時計台)であることが確実となった。この水時計はその後の流体力学的解析により,唐の呂才(649没)が実用化した 4段式水時計で,サイホン原理を利用した高度なものと推定された。高楼は鐘で時を告げる鐘楼と考えられる。

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