水野錬太郎(読み)みずのれんたろう

精選版 日本国語大辞典 「水野錬太郎」の意味・読み・例文・類語

みずの‐れんたろう【水野錬太郎】

政治家秋田県出身。内務省に勤め、のち、貴族院議員内務大臣文部大臣を歴任。第二次大戦中は大日本興亜同盟副総裁・興亜総本部統理となる。明治元~昭和二四年(一八六八‐一九四九

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デジタル大辞泉 「水野錬太郎」の意味・読み・例文・類語

みずの‐れんたろう〔みづのレンタラウ〕【水野錬太郎】

[1868~1949]官僚・政治家。秋田の生まれ。内務省を退官後、貴族院議員・内相文相を歴任。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水野錬太郎」の意味・わかりやすい解説

水野錬太郎
みずのれんたろう
(1868―1949)

大正・昭和時代の官僚政治家。東京に生まれる。1892年(明治25)帝国大学卒業後、1894年に内務省に入る。1899年施行の著作権法を起草し、著作権を確立した。1913年(大正2)内務次官となる。その前年貴族院議員に勅選され、1918年寺内正毅(てらうちまさたけ)内閣、1922年加藤友三郎(ともさぶろう)内閣、1924年清浦奎吾(きようらけいご)内閣の各内相を歴任し、1926年政友会に入党した。1927年(昭和2)田中義一(ぎいち)内閣に文相として入閣、第二次世界大戦中には興亜(こうあ)同盟の幹部などを務め、戦後戦犯に指名されたがまもなく釈放された。内務官僚の大御所的存在であった。また、明治時代の藩閥官僚と昭和期に現れてくる新官僚との中間の時期の官僚の一つの典型でもあった。

[雨宮昭一]

『西尾林太郎・尚友倶楽部編『水野錬太郎回想録・関係文書』(1999・山川出版社)』『大家重夫著『著作権を確立した人々 第2版――福沢諭吉先生、水野錬太郎博士、プラーゲ博士…』(2004・成文堂)』


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改訂新版 世界大百科事典 「水野錬太郎」の意味・わかりやすい解説

水野錬太郎 (みずのれんたろう)
生没年:1868-1949(明治1-昭和24)

政友会系の官僚政治家。秋田出身。東京帝国大学卒業後,第一銀行から内務省に移り内務参事官,内相秘書官,神社・土木・地方各局長を歴任する。1912年貴族院議員に勅選,翌年内務次官。政友会系の官僚の旗頭として寺内正毅,加藤友三郎,清浦奎吾(けいご)各内閣の内相,朝鮮総督府政務総監を務め,26年政友会に入党し田中義一内閣の文相に就任したが,久原房之助の入閣に反対して水野文相優諚問題(水野が優諚降下を理由に文相留任を声明したが,累を皇室に及ぼしたとして非難を浴びた)を起こし辞任。その後も政友会系の内務官僚の中心として,民政党系の伊沢多喜男と勢力を競っていたが,35年岡田啓介内閣の審議会委員となり党議に触れて離党。のち協調会会長として産報運動を推進し,産報連盟会長,産業報国会顧問等を務めた。なお,地方自治問題の権威でもあった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水野錬太郎」の意味・わかりやすい解説

水野錬太郎
みずのれんたろう

[生]慶応4 (1868).1.10. 江戸
[没]1949.11.25. 神奈川,大磯
明治・大正・昭和期の内務官僚,政治家。秋田藩士の子として生まれる。1892年に帝国大学(→東京大学)を卒業。1894年に内務省に入り,参事官,土木局局長,地方局局長などを務めた。1912年貴族院議員に勅選される。1918年の寺内正毅内閣,1922年の加藤友三郎内閣,1924年の清浦奎吾内閣の内務大臣,1927年の田中義一内閣の文部大臣を歴任。第2次世界大戦中は協調会会長,大日本興亜同盟副総裁,興亜総本部統理となった。1945年 A級戦犯容疑で逮捕されたが,1947年釈放。地方自治制の権威であった。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「水野錬太郎」の解説

水野錬太郎
みずのれんたろう

1868.1.10~1949.11.25

明治~昭和前期の官僚・政治家。秋田県出身。東大卒。内務省参事官・内相秘書官・神社局長・地方局長・内務次官などを歴任。1918年(大正7)寺内内閣の内相,翌年斎藤実(まこと)朝鮮総督のもとで政務総監を務め文化政策を推進。22~24年加藤友三郎・清浦両内閣の内相。26年(昭和元)立憲政友会に入り,27年田中義一内閣の文相となったが,翌年久原房之助の入閣に反対して辞任。貴族院における政友会議員の中心であった。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「水野錬太郎」の解説

水野錬太郎 みずの-れんたろう

1868-1949 明治-昭和時代の政治家。
慶応4年1月10日生まれ。出羽(でわ)久保田藩(秋田県)藩士の長男。内務省にはいり,大正元年貴族院議員,2年内務次官。寺内,加藤友三郎,清浦の各内閣で内相。昭和2年田中義一内閣で文相のとき,天皇を政治的に利用したと非難され(優諚(ゆうじょう)問題),辞任した。昭和24年11月25日死去。82歳。帝国大学卒。

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