日本大百科全書(ニッポニカ) 「市島」の意味・わかりやすい解説
市島
いちじま
兵庫県北東部、氷上郡(ひかみぐん)にあった旧町名(市島町(ちょう))。現在は丹波(たんば)市の北東部を占める一地区。1955年(昭和30)竹田、前山(さきやま)、吉見(よしみ)、鴨庄(かものしょう)、美和の5村が合併、町制を施行して成立。2004年(平成16)柏原(かいばら)町、氷上町、青垣(あおがき)町、春日(かすが)町、山南(さんなん)町と合併、市制施行して丹波市となる。名称の「市島」は中心集落名による。旧町域は、北部を京都府と接し、由良(ゆら)川の支流竹田川流域の低地を除くと大部分が山地で、JR福知山線(ふくちやません)、国道175号が竹田川沿いに走る。古くから交通の要衝であった。産業は米作と酪農、養鶏、花木、野菜栽培などの複合経営を行う農業が中心である。白鳳(はくほう)時代の寺院跡である三ツ塚廃寺跡は国指定史跡で、史跡公園として整備されている。そのほか、平安時代に建立された天台宗の神池(じんち)寺、白毫(びゃくごう)寺、石像(せきぞう)寺などの古刹(こさつ)があり、京文化の影響を早くから受けた。
[大槻 守]
『『市島町誌』(1977・市島町)』