江北(読み)コウホク

デジタル大辞泉 「江北」の意味・読み・例文・類語

こう‐ほく〔カウ‐〕【江北】

河の北。特に、中国揚子江下流の北の地方

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精選版 日本国語大辞典 「江北」の意味・読み・例文・類語

こう‐ほくカウ‥【江北】

  1. [ 1 ] 大きな川の北側。特に、中国では揚子江以北の総称。現在狭義には江蘇省の揚子江以北をさす。
    1. [初出の実例]「帰旅乗春心転幽、江南江北事遨遊」(出典経国集(827)一・春江賦〈嵯峨天皇〉)
    2. [その他の文献]〔羅鄴‐鴈詩〕
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 近江国の北。琵琶湖の北側一帯。
    2. [ 二 ] ( 「江」は隅田川 ) 江戸時代新吉原をいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「江北」の意味・わかりやすい解説

江北(町)
こうほく

佐賀県中部、杵島郡(きしまぐん)にある町。1952年(昭和27)町制施行。町名は、町域が有明海(ありあけかい)奥部に注ぐ六角(ろっかく)川の下流流路の北側一帯に分布したことによる。北部に第三紀層などの丘陵地、その南に水田低地が開ける。御岳(おたけ)山(243メートル)西側山腹には土元古墳群(つちもとこふんぐん)などをみるが、六角川蛇行部の八町(はっちょう)地区などは、アシの生える湿原を江戸時代に開発した佐賀藩の新田である。中心部のJR江北駅(旧、肥前山口(ひぜんやまぐち)駅)は長崎本線佐世保線(させぼせん)の分岐点。江戸時代、長崎街道が通じ、小田(おだ)宿で鹿島(かしま)経由浜通りの脇往還(わきおうかん)が分かれた。今日も国道34号と207号が分岐し、交通の要衝である。1943年北部丘陵地に杵島炭鉱の第五坑が開かれて人口が急増し、1960年には1万6379をも数えた。しかし、地盤沈下などの鉱害が水田地域に波状的に拡大し、1969年閉山後はその鉱害復旧と農業基盤の整備に追われ、1997年(平成9)に鉱害復旧作業は完了した。炭鉱跡地には工場団地がつくられている。面積24.49平方キロメートル、人口9566(2020)。

[川崎 茂]

『『江北町史』(1982・江北町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「江北」の意味・わかりやすい解説

江北[町] (こうほく)

佐賀県中央部,杵島郡の町。人口9515(2010)。六角川北岸一帯を占め,北は多久市,南は六角川を境に白石町と接する。北部は筑紫山地支脈の山地で占められ,中南部は筑紫平野の西の一角をなす。中心の上小田は江戸時代,長崎街道と多良往還の分岐点にあたる宿場町として栄えた。昭和初期,杵島炭鉱第5坑が開かれ,一時は人口1万数千を数えたが,1969年に石炭不況で閉山され,急激な過疎化と鉱害に苦しんだ。その後は工業開発に力を注いでいる。主産業は農業で,平地の米,麦,野菜の栽培のほか,山麓部でミカン栽培が盛ん。肥前山口駅でJR長崎本線から佐世保線が分岐する。
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百科事典マイペディア 「江北」の意味・わかりやすい解説

江北[町]【こうほく】

佐賀県中部,杵島(きしま)郡の町。六角川下流域にあり米作地帯をなす。中心の山口は長崎本線と佐世保線の分岐点。杵島炭田に属する新杵島炭鉱があったが,1969年閉山,代わって工場誘致やミカン園造成が活発。24.49km2。9515人(2010)。

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