江府町(読み)こうふちよう

日本歴史地名大系 「江府町」の解説

江府町
こうふちよう

面積:一二四・六六平方キロ

日野郡の北東部に位置し、北は東伯とうはく関金せきがね町・東伯町、西伯さいはく大山町、西は溝口みぞくち町、南は日野町、東は岡山県真庭まにわ新庄しんじよう村・川上かわかみ村に接する。町域の北東部は大山南麓の火山砕屑物層の台地にあたり、西部を北東流から北西流に流れを変えながら日野川が流れる。岡山県境には、北から擬宝珠ぎぼし(一一一〇メートル)三平みひら(一〇〇九・八メートル)毛無けなし(一二一八・四メートル)などの中国山地の高山が連なる。小江尾こえび川・船谷ふねだに川・俣野またの川などの河川が南西流あるいは西流して日野川に合流するが、日野川および諸河川の流域に集落が形成されている。日野川東岸沿いをJR伯備線と国道一八一号が並行して走り、米子自動車道が米子市から佐川さがわの江府インターチェンジまで開通している。町名町民からの募集によって「水(江)の集まる中心(府)」の意として命名された。

町域内の縄文遺跡は、早期の押型文土器を出土した佐川第一遺跡をはじめとして、前期助沢竜王すけさわりゆうおう遺跡・江尾宿えびじゆく遺跡、後・晩期美用みよう第一・第二遺跡などがあり、大山南麓の山間地に縄文人の足跡を示す遺跡が多い。弥生遺跡としては後期の荒田豆あらたまめはら遺跡・小江尾第四遺跡などが知られるが、農耕文化の波及は遅れていたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「江府町」の意味・わかりやすい解説

江府〔町〕
こうふ

鳥取県西部にある町。 1953年江尾町と,米沢,神奈川の2村が合体して発足。 54年日光村の一部を編入。北部は大山の南斜面で,鏡ヶ成国民休暇村で知られる。中心集落の江尾は日野川中流域にある谷口集落で,尼子氏の家臣蜂塚氏の居城があったところ。江戸時代は番所がおかれ,宿場町として発展。高原では野菜をはじめワサビ,シイタケを産し,渓流ではコイ養殖。大山南麓の放牧場ではウシの多頭飼育が行われる。町域の一部は大山隠岐国立公園に属する。 JR伯備線,国道 181号線,482号線が通り,米子自動車道のインターチェンジがある。面積 124.52km2。人口 2672(2020)。

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