江戸紫(読み)えどむらさき

  • 江戸紫 (エドムラサキ)

色名がわかる辞典の解説

色名の一つ。JISの色彩規格では「こい青みの」としている。一般にもみがかった紫色をいう。江戸時代、武蔵野に自生するムラサキ科ムラサキソウを使って江戸で染めたことから、この名がついた。赤みが強い京紫に対して、青みの強いのが特徴。また、古代紫に対して今いま紫とも呼ばれ、くすんだ古代紫よりも鮮やか。歌舞伎の人気演目『助六由縁江戸桜すけろくゆかりのえどざくら』で、主人公の助六が巻く鉢巻きの色が代表的な江戸紫として知られる。

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デジタル大辞泉の解説

《武蔵野に生えていたムラサキの根を染料として江戸で染めはじめたところから》藍色の勝った紫色。江戸を代表する染め色とされた。「江戸紫に京鹿(が)の子」
ムラサキ別名

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

紫の染め色の一種。紫は赤と青によって構成される間色であるから、単に濃淡のみならず、そのなかに含まれる赤と青の量によって、小豆(あずき)色に近い赤紫から青みの勝った藍(あい)紫(ブルー・バイオレット)まで、種々の色相が現れる。江戸紫はこのなかの後者をさすもので、武蔵野(むさしの)の紫草を用いて藁灰(わらばい)で発色させたものとも、または紫に藍を加えて染め出した色ともいわれるが、明らかではない。歌舞伎(かぶき)『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』の助六の用いる鉢巻の色がこれにあたるものであろう。

[山辺知行]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 植物「むらさき(紫)」の異名。《季・夏》
② 江戸で染めた紫の染め色で、江戸を象徴する色彩の一種。藍色の勝った紫。古代紫より色が明るい。江戸染め。
※隔蓂記‐寛文三年(1663)一二月八日「江戸紫之不洗物」
[語誌]①は現在、夏の季題とされているが、「俳諧・桜川‐春」には、「春日野は江戸むらさきにかげもなし〈維舟〉」と、春の季題の例がある。類題に「紫草」「紫丹」などがある。

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