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沖ノ島祭祀遺跡

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

沖ノ島祭祀遺跡

50年代から70年代にかけて3回の調査の結果、4世紀後半〜10世紀初頭の国家的な航海祭祀の遺跡であることが判明。祭祀の場が岩上から岩陰、半岩陰・半露天、露天へと変遷したこともわかった。遺物は鏡や玉類、武器、馬具装身具など8万点(国宝)に及び、朝鮮半島製の金の指輪や中国製の金銅製龍頭(りゅうとう)など豊かな国際色から「海の正倉益とも呼ばれる。いまも女人禁制など宗教的禁忌を守る。

(2008-03-21 朝日新聞 夕刊 文化)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

沖ノ島祭祀遺跡
おきのしまさいしいせき

福岡県宗像(むなかた)市に所属する沖ノ島(沖島)にある遺跡。沖ノ島は、九州北部の沿岸地域から60キロメートル沖合いにある周囲4キロメートルの無人島で、宗像大社沖津宮(おきつみや)を祀(まつ)っている。縄文・弥生(やよい)の生活遺跡と、古墳時代、奈良~平安時代の祭祀遺跡があり、とくに祭祀遺跡は、島の中腹部にある沖津宮社殿の背後の巨岩群の岩上や岩陰にあり、原始宗教と律令(りつりょう)祭祀の両形態の祭祀がうかがわれ、日本の神道考古学の代表的な遺跡である。の4段階の祭祀形態があり、岩上祭祀、岩陰祭祀、岩陰・露天祭祀、露天祭祀という変遷をたどる。奉献遺物も初期の祭祀では鏡、勾玉(まがたま)、鉄製武器など古墳遺物と同じものを奉献しているが、奈良時代の祭祀では金銅製のミニチュアの容器や紡織具など律令的な奉献品が主体となる。この沖ノ島の祭祀遺物で特徴的なものは朝鮮製の金銅製馬具類や、中国製の唐三彩、ササン朝ペルシアの切子(きりこ)ガラス碗(わん)など舶載遺物があることで、国家的な祭祀が行われたと考えられている。出土品は約10万点余あり、すべて国宝に指定され、宗像大社神宝館(宗像市)に展示され、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)でも遺跡・遺物の一部がレプリカ(複製品)展示されている。[弓場紀知]
『宗像大社復興期成会編・刊『沖ノ島』『続沖ノ島』『宗像・沖ノ島』(1958、61、78)』

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世界大百科事典内の沖ノ島祭祀遺跡の言及

【沖島】より

…近海はタイ,ブリ,イカなどの好漁場で盛期には300隻近い漁船が集まり,1962年に大規模な避難港(第4種漁港)が完成した。【土井 仙吉】
[祭祀遺跡]
 考古学では〈沖ノ島祭祀遺跡〉と書く。この島の遺跡が知られるようになったのは江戸時代で,貝原益軒,青柳種信らが調査をしたり,見聞記を残している。…

【石製模造品】より

…石製模造品として作った器物の種類には,武器武具――刀子(とうす)・剣・鏃・弓・短甲・盾,服飾具――鏡・勾玉・小玉・櫛・下駄,農工具――斧・たがね・のみ・鉇(やりがんな)・鎌・鍬・鋤,酒造具――坩(つぼ)・甑(こしき)・盤(さら)・槽(ふね)・案・臼・杵,機織具――紡錘車・梭(ひ)・筬(おさ)・滕(ちきり)・腰掛けなどがある。なお,ほかに沖ノ島祭祀遺跡から滑石製の人形(ひとがた)・馬・舟などが多量に出土しているが,奈良時代のものであるから,石製形代(かたしろ)とよんで区別する(沖島(おきのしま))。 石製模造品には,器物の全形を作ったものと,特定の部分にかぎったものとがある。…

※「沖ノ島祭祀遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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