沖ノ鳥島(読み)オキノトリシマ

デジタル大辞泉 「沖ノ鳥島」の意味・読み・例文・類語

おき‐の‐とりしま【沖ノ鳥島】

日本最南端の島。南硫黄島南西、北緯20度25分31秒、東経136度4分11秒にある環礁で、満潮時にはわずかな岩礁を残して水面下に没するため、消滅しないように工事が行われ、波による浸食から岩礁を保護している。東京都小笠原村に属し、昭和6年(1931)日本領になった。

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共同通信ニュース用語解説 「沖ノ鳥島」の解説

沖ノ鳥島

東京都心から約1700キロ離れた太平洋上にある日本最南端の無人島。周囲約10キロのサンゴ礁からなり、北小島東小島の二つの小島が海面上に現れている。地球温暖化による海面上昇や波の浸食で水没する恐れがあり、周囲にコンクリートの保護壁が設けられている。日本の国土面積を上回る約40万平方キロメートルの排他的経済水域(EEZ)を維持するため、2010年に沖ノ鳥島などの保全に関する法律が施行され、国が港湾施設を直接建設、管理することになった。(共同)

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精選版 日本国語大辞典 「沖ノ鳥島」の意味・読み・例文・類語

おき‐の‐とりしま【沖ノ鳥島】

  1. 東京都、小笠原諸島の南硫黄島南西方にある日本最南端の環礁。一七世紀にスペイン人が発見。昭和六年(一九三一)日本領になり、小笠原支庁編入。満潮時にはほぼ海中に没するため、直径五〇メートルのコンクリート壁で補強された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「沖ノ鳥島」の意味・わかりやすい解説

沖ノ鳥島
おきのとりしま

東京都小笠原村(おがさわらむら)に属する日本最南端(北緯20度25分、東経136度5分)の島。小笠原諸島に含まれる。南硫黄(いおう)島の南西約685キロメートルにあり、東西約4.5キロメートル、南北約1.8キロメートルの楕円(だえん)形の環礁。ほとんどすべて海面下で、北と東にある二つの岩礁が満潮時で約70センチメートル海面上に出ている。17世紀にスペイン人が発見したが、島の大部分が海面下のため所属問題はおこらなかった。1922年(大正11)日本の軍艦が島を測量し、1931年(昭和6)から日本領とし、小笠原支庁に編入された。第二次世界大戦後アメリカの施政権下に入ったが、1968年(昭和43)返還された。日本の領海や排他的経済水域(EEZ)の設定上、重要であるが、海面上に出ている岩礁の波食による消滅が懸念され、1987年海岸保全区域に指定して、1987年から1993年(平成5)にかけて消波ブロックとコンクリート等による保全工事が行われた。1999年からは全額国費による直轄管理が始まり、2007年(平成19)から沖ノ鳥島灯台の運用が開始されている。

[菊池万雄]

EEZ問題

沖ノ鳥島は領海のほか、漁業や天然資源の開発・利用を認められる排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の基点として重要であり、日本政府は同島周辺約40万平方キロメートルをEEZ、同島北方の四国海盆海域17万7000平方キロメートルを大陸棚であると主張。このうち大陸棚については2012年(平成24)に国連大陸棚限界委員会に認定された。しかし中国や韓国は島ではなく岩でありEEZは存在しないとの立場をとっている。台湾は馬英九(ばえいきゅう)政権時代に沖ノ鳥島は岩であると主張、日台海洋協力対話で沖ノ鳥島沖での台湾漁船の操業を認めるよう求めた。

[矢野 武 2017年5月19日]

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日本歴史地名大系 「沖ノ鳥島」の解説

沖ノ鳥島
おきのとりしま

硫黄いおう島の南西約六〇〇キロの洋上、北緯二〇度二五分、東経一三六度〇五分に所在する島。島は楕円形の環礁で、一七世紀初期に作成されたイスパニア製の海図に描かれており、一八世紀後半イギリスのキャプテン・ウィリアムスによって確認されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「沖ノ鳥島」の意味・わかりやすい解説

沖ノ鳥島 (おきのとりしま)

小笠原諸島に属する日本最南端(北緯20°25′,東経136°03′)の島で,満潮時にはほとんど海面下に没する環礁。別名パレセ・ベラParece Vela,ダグラス・リーフDouglas Reef。東京都小笠原支庁小笠原村に含まれる。硫黄列島と沖大東島からそれぞれ600kmはなれた熱帯の孤島で,長径5km,短径2kmの長円形の環礁の内側は礁湖となっており,陸地としては鎖のようなサンゴ礁の岩列と干潮時に一部顔を出す礁原にすぎない。存在は17世紀から知られていたが,1922年,25年に軍艦満州が調査し,31年東京府小笠原支庁の管轄下に入り,日本領となった。第2次世界大戦前に気象観測所の設置が計画されたことがあるが,実現されず現在までまったく無人,未利用の島である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沖ノ鳥島」の意味・わかりやすい解説

沖ノ鳥島
おきノとりしま

東京都小笠原諸島南硫黄島西南方の太平洋上に孤立する環礁の無人島。面積 33.01km2小笠原村に属する。満潮時には東小島(北緯 20°25′32″)と北小島(北緯 20°25′31″,日本最南端)だけが海面上に残る。居住不可能。17世紀初めスペイン製海図に Palece Velaと記され,寛政1(1789)年イギリス人の船長ウィリアム・ダグラスが確認した。1931年小笠原支庁管下に編入。1968年アメリカ合衆国の信託統治領から日本に返還された。環礁は東西約 5km,南北 0.9~1.8kmで,深度 4~5mの浅い礁湖をいだく。

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百科事典マイペディア 「沖ノ鳥島」の意味・わかりやすい解説

沖ノ鳥島【おきのとりしま】

硫黄島の南西方約700km,太平洋上の小環礁。Parece Vela,Douglas Reefとも呼ばれ,北緯20°25′,東経136°05′にある。日本最南端に位置する。東京都小笠原支庁小笠原村に属する。2007年3月,灯台完成。
→関連項目小笠原諸島

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デジタル大辞泉プラス 「沖ノ鳥島」の解説

沖ノ鳥島

東京都小笠原諸島に属する日本最南端の無人島。硫黄島の南西約600kmに位置する。海底火山の頂上部にあたる環礁で、水面に現れるのは干潮時のみ。欧名は「ダグラス・リーフ」。波の浸食による消滅を防ぐための護岸工事がなされ、気象観測ポイントとしても利用されている。

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世界大百科事典(旧版)内の沖ノ鳥島の言及

【小笠原諸島】より

…伊豆諸島の南方,太平洋上にある聟島列島父島列島母島列島硫黄列島(火山列島),西之島南鳥島沖ノ鳥島の小島を含む島嶼(とうしよ)群。全域が東京都小笠原支庁小笠原村に属し,行政中心は父島の大村で,東京都小笠原支庁がおかれ,母島に出張所がある。…

※「沖ノ鳥島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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