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法定受託事務 ホウテイジュタクジム

デジタル大辞泉の解説

ほうてい‐じゅたくじむ〔ハフテイ‐〕【法定受託事務】

地方公共団体が処理する事務のうち、国または都道府県から法令によって委託される事務。国が本来果たすべき役割にかかわる事務を都道府県・市町村特別区が受託する第1号法定受託事務と、都道府県が本来果たすべき役割にかかわる事務を市町村・特別区が受託する第2号法定受託事務に分類される。国政選挙戸籍旅券交付などの事務は第1号法定受託事務、地方選挙にかかわる事務などは第2号法定受託事務にあたる。国は、許可・認可・承認・代執行・是正要求などの強い関与を行うことが認められている。
[補説]平成12年(2000)の改正地方自治法により機関委任事務が廃止され、地方公共団体の事務は法定受託事務と自治事務に再編された。

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知恵蔵の解説

法定受託事務

本来、国や都道府県が果たすべきものであるが、その適正な処理を特に確保するため法令によって、国の場合は都道府県、市町村、特別区に、都道府県の場合は市町村と特別区に処理を委任する事務。前者を第1号法定受託事務、後者を第2号法定受託事務という。委任先の地方公共団体の首長等執行機関を下部機関として扱い、上下の指揮監督関係に置くとして批判の強かった機関委任事務の廃止に伴って新設された事務区分。機関委任事務と異なり国の事務ではなく、地方公共団体の事務であり、国と地方公共団体、都道府県と市町村という、互いに独立した行政主体間の協力関係を前提として構成されている。機関委任事務の4割が、これに振り分けられた。条例制定権や地方議会の関与は制約され、国や都道府県の関与も自治事務より強く、権力的関与も残されているが、関与に際して手続き的制約(書面主義、審査基準の明確化、標準処理期間の明示など)が加えられたほか、国や都道府県の関与については国地方係争処理委員会、または自治紛争処理委員会の審査・勧告を経て、司法の場で是非を争えるようになった。

(北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)

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農林水産関係用語集の解説

法定受託事務

法律又はこれに基づく政令により地方公共団体が処理することとされる事務のうち、国や都道府県が本来果たすべき役割に係るものであって、国や都道府県においてその適正な処理を特に確保する必要があるもの。

出典 農林水産省農林水産関係用語集について 情報

大辞林 第三版の解説

ほうていじゅたくじむ【法定受託事務】

国が本来果たす役割に係る事務で、地方自治法上、適正な処理を確保する必要があると認められた地方公共団体の事務。地方分権一括法に基づく機関委任事務の廃止により新たに設けられた事務の一で、自治事務に比べて国からの関与の程度が高い。 → 自治事務機関委任事務

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

法定受託事務
ほうていじゅたくじむ

地方自治法において,地方公共団体が処理することとされる事務のうち,本来なら国や都道府県が果たすべきであって,適正な処理を確保する必要があるとして,特に法律や政令で定める事務。2000年地方分権推進一括法の施行(地方自治法の改正)により,機関委任事務に代わる事務区分として,自治事務とともに導入された。国が都道府県,市区町村に委任する第一号法定受託事務と,都道府県が市区町村に委任する第二号法定受託事務がある。第一号法定受託事務には国政選挙,旅券の発行,戸籍事務などがあり,第二号法定受託事務には都道府県知事選挙などがある。国政事務としての性格が強いが,自治体で行なったほうが便利で能率的な事務がこれにあたる。実施にあたっては,国の助言・勧告,指示などのほか,必要に応じて代執行も行なうことができるなど,国の関与が認められている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

法定受託事務
ほうていじゅたくじむ

法律や法令に基づき国、地方公共団体、その他公共団体から都道府県、市町村、特別区に委託された事務(地方自治法2条の9)をさす。2000年(平成12)4月、地方自治法改正により新しく定められた。法定受託事務は国において適正な執行を確保する目的で、国が処理基準を定めること(245条の9)や、違法、不適正な場合の是正の指示(245条の5)、代執行(245条の8)など国による関与がなされることがある。ただし、国の関与に不服がある場合には、国地方係争処理委員会において審査を受け(250条の13-19)、なお関与の違法性が問題となるときには高等裁判所において争うことができる(251条の5)。[辻山幸宣]
『自治体問題研究所編『地方自治法改正の読みかた』(1999・自治体研究社) ▽松下圭一ほか編『岩波講座自治体の構想2 制度』(2002・岩波書店)』

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