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国地方係争処理委員会 くにちほうけいそうしょりいいんかい

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知恵蔵2015の解説

国地方係争処理委員会

国と地方自治体との間で、法律・政令の解釈・運用や国の関与をめぐって争いが生じた場合に、両者の間に立ち、公平・中立に調整を図る審判者(第三者機関)。地方分権推進一括法によって総理府(現・総務省)に設置された。5人の委員は、両議院の同意を得て、総務大臣が任期3年で任命する。自治体は、国の関与に不服がある場合、この委員会に対して、30日以内に文書で審査の申し出をすることができる。委員会は申し出から90日以内に審査を行い、必要があれば国の当該行政庁に対して勧告を行い、その結果は自治体にも通知すると共に公表しなければならない。また審査の申し出をした自治体は、審査の結果に不服がある場合、国の行政庁を被告として、違法な国の関与の取り消し、国の不作為の違法の確認を高等裁判所に訴えることが可能になった。

(北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

くにちほうけいそうしょり‐いいんかい〔くにチハウケイサウシヨリヰヰンクワイ〕【国地方係争処理委員会】

地方公共団体に対する国の関与をめぐって両者の間で争いが生じた場合に、問題を迅速に解決するために、総務省に常設されている合議制第三者機関。総務大臣が両議院の同意を得て任命する5人の有識者で構成される。地方公共団体の長や執行機関からの申し出に基づいて審査を行い、国の関与が違法または不当と認められる場合には、申し出から90日以内に、国の行政庁に対して必要な措置を講ずべきことを勧告する。国の側から審査を申し出ることはできない。→自治紛争処理委員

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大辞林 第三版の解説

くにちほうけいそうしょりいいんかい【国地方係争処理委員会】

地方分権一括法に基づき、2000年(平成12)に創設された、国と地方自治体の紛争を調整する第三者機関。総務省に置かれ、国会の同意を得て総務大臣が任命する五人の委員によって構成される。地方自治体に対する国の関与について、自治体からの不服申し出により審査を行い、関与が不当または違法と認められる場合には必要な措置を国に勧告する。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国地方係争処理委員会
くにちほうけいそうしょりいいんかい

国と地方自治体との公権力行使をめぐる争いを公平・中立的立場で調整する第三者機関。地方分権一括法地方自治法第250条の7)に基づき、2000年(平成12)に総理府(現、総務省)内に設置された。調整対象は、自治体の行政事務に対する国の是正要求や、自治体が許可した案件に対する国の拒否(不同意)など、国の公権力行使に自治体が不服のある場合である。不服がある場合、国の公権力行使の日から30日以内に自治体は国地方係争処理委員会に文書で審査を申し出る。同委員会は申し出があった日から90日以内に審査を行い、国の関与が不当または違法と認められる場合、国の行政機関に勧告し、自治体に通知すると同時に公表しなければならない。審査結果に不服のある自治体は、国の行政機関を被告として、高等裁判所に訴えることができる。国地方係争処理委員会は有識者ら5人の委員の合議制で、委員は衆議院参議院両院の同意を得て総務大臣が任命する。委員の任期は3年。委員長は委員の互選で決める。
 国地方係争処理委員会への審査申立ては、2016年3月時点までで3件にとどまる。2001年、場外馬券売場への独自課税に総務省が同意しなかったことに対する横浜市の申立てについて、同委員会は国へ再協議を勧告した。これを受け、総務省は横浜市との協議を再開したが、横浜市は2004年2月に、独自課税を断念した。北陸新幹線の追加工事を国土交通省が認可して地元負担が増えた新潟県の申立て(2009)と、アメリカ軍普天間(ふてんま)飛行場の沖縄県内への移設に関する政府対応を是正しようとした沖縄県の申立て(2015)については、同委員会は審査対象外であるとして却下した。このため自治体関係者などから、国地方係争処理委員会は国と自治体間の係争を処理する機関として事実上機能していないとの批判が出ている。なお自治体間(都道府県と市町村)の争いを調整する第三者機関に自治紛争処理委員がある。[矢野 武]

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