( 1 )記紀歌謡には、「浜つ千鳥」の例があるが、「万葉集」には、「浜つ千鳥」も「浜千鳥」も見られない。しかし、「千鳥」の例は見られ、その多くは、「佐保川」に鳴く鳥として詠まれている。
( 2 )古今集時代には,[ 一 ]の挙例の壬生忠岑の歌のように、上代に見られた「浜つ千鳥」が一語化されて「浜千鳥」となる。ところが、「古今集」に収められた「浜千鳥」の歌は、中国古代の黄帝時代に蒼頡(そうけつ)が鳥の足跡を見て漢字を作ったという故事を踏まえて詠まれた「忘られん時しのべとぞはま千鳥ゆくへも知らぬ跡をとどむる〈よみ人しらず〉」(雑下)一首であり、以後しばらくその影響下に「浜千鳥」が詠まれ、砂浜についた足跡を筆跡や手紙に見立てたり、千鳥が砂浜を踏む意の「踏み」と、手紙の意の「文(ふみ)」とを掛けたりする。
( 3 )新古今集時代になると、「白浪に羽打かはし浜千鳥かなしき物は夜の一声〈源重之〉」〔新古今‐冬〕のように、純粋な冬の景物として詠まれるようになる。
…冠者は,酒屋が話好きなのにつけこみ,伊勢の浜辺で見た千鳥を伏せるところの話を始める。まず酒屋に〈浜(はんま)千鳥の友呼ぶ声は〉と囃させ,自分は〈チリチリヤ,チリチリ〉とうたいながら酒樽を千鳥に見立てて持って行こうとするが,酒屋に制止される。次に津島祭に山鉾(やまほこ)を引き回すようすを見せようと,これも酒樽を山鉾に見立てて綱で引き寄せるが失敗する。…
※「浜千鳥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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