浮び上る(読み)ウカビアガル

デジタル大辞泉 「浮び上る」の意味・読み・例文・類語

うかび‐あが・る【浮(か)び上(が)る】

[動ラ五(四)]
水中・水底にあるものが水面に現れ出る。また、地上にあるものが空中に上がる。「魚が―・る」「アドバルーンが空に―・る」
苦しい状態を抜け出してよくなる。下位にあったものが上位になる。「最下位から―・る」
隠れていた物事表面に現れる。鮮明になって人目につくようになる。「捜査線上に―・る」「東京タワー夜空に―・る」
意識に出てくる。思い出される。
「突然一人の頭の中へカンナ予言が―・った」〈横光碑文
[類語]浮く浮かぶ浮き上がる浮かべる浮揚する浮上する

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精選版 日本国語大辞典 「浮び上る」の意味・読み・例文・類語

うかび‐あが・る【浮上】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 物が底の方から表面に出てくる。物が水中から水面に上がってくる。浮かび出る。
    1. [初出の実例]「此度泥犁(ないり)に沈みなば、多生曠劫をば隔つとも、うかひあからん事かたし」(出典:高野本平家(13C前)一)
    2. 「泥水に浮び上った錦魚(きんぎょ)の心持であった」(出典:大津順吉(1912)〈志賀直哉〉二)
  3. 隠れていた物事がわかるようになる。
    1. (イ) 意識に出てくる。思い出される。
      1. [初出の実例]「突然一人の頭の中へカンナの予言が浮び上った」(出典:碑文(1923)〈横光利一〉)
    2. (ロ) 物事が外面に現われる。はっきりしてくる。また、注目されるようになる。「容疑者が浮かび上がる」
      1. [初出の実例]「彼女は肉の上に浮び上ったその微笑が何の象徴(シンボル)であるかを殆んど知らなかった」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一一一)
  4. 苦しい状態からぬけ出る。運が開ける。また、立身出世する。
    1. [初出の実例]「ツミヨリ vcabiagaru(ウカビアガル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))

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