(読み)シン

デジタル大辞泉 「浸」の意味・読み・例文・類語

しん【浸】[漢字項目]

常用漢字] [音]シン(呉)(漢) [訓]ひたす ひたる
水がしだいにしみ込む。水に漬ける。「浸潤浸食浸水浸礼
水がしみ込むように広がる。「浸漸

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精選版 日本国語大辞典 「浸」の意味・読み・例文・類語

したし【浸】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ひたし」の変化した語 ) 野菜をゆでて、しょうゆや酢などで食べる料理。したしもの。ひたし。ひたしもの。おしたし。
    1. [初出の実例]「けふの祝ひの浸(シタシ)にと嫁菜蒲公二人の仕業」(出典浄瑠璃菅原伝授手習鑑(1746)三)

ひたし【浸】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ひたす(浸)」の連用形名詞化 ) 青菜などをゆでて、しょうゆなどをかけてひたしたもの。→おひたし

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普及版 字通 「浸」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)
10画

(異体字)
16画

[字音] シン
[字訓] ひたす・おかす

[説文解字]

[字形] 形声
旧字はに作り、(しん)声。〔説文〕の篆文の字形に作る。帚は鬯(かんちよう)のとき、帚(箒(ほうき))に酒をいで、その祭場を清める意。所を鬯酒(ちようしゆ)(香り酒)で祓い清める意で、その酒気をという。〔説文〕十一上を水名とし、呼沱(こだ)河の支流の名とするが、字は寝における鬯の礼をいう。その所をまた寢(寝)という。卜辞に「するに、疾(な)きか」と卜する例があり、疾病を祓う儀礼にも用いた。は精気感祥、これを祓うのにの儀礼が行われた。

[訓義]
1. ひたす、酒気をひたす、酒気をひたしてはらう。
2. すすむ、おかす、次第にしみとおる、しみこむ、うるおす。
3. そそぐ、しずむ、ぬれる。
4. 水たまり、さわ。
5. ようやく、しだいに、やや、ますます。

[古辞書の訓]
名義抄 ヒタス・ウルフ・ウルホス・ヒタタリ・イヨイヨ・トホシ・ハルカナリ・ヲカス・ススグ・シタタリ・ヒトシ・ヤウヤク

[声系]
〔説文〕に(侵)声あるいはの省声として収める字には、の声義をとるものが多い。侵字条参照。

[語系]
tzimは同声。・寢tsimは声義近く、この系統の字はおおむね一系の語とみてよい。

[熟語]
浸育・浸・浸・浸仮・浸浸涵・浸・浸近浸漬浸弱浸濡浸湿・浸潤・浸・浸浸浸潯・浸水・浸漸浸染浸沈・浸入浸微・浸漫・浸滅・浸凌・浸潦
[下接語]
淹浸・浸・涵浸・浸・稽浸・漬浸・秋浸・水浸・積浸・潜浸・漸浸・大浸・沈浸・泛浸・漂浸・漫浸・潦浸

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