消化管に付随して消化液を分泌する腺をいう。脊椎動物では肝臓と膵臓に代表され,いずれも十二指腸に開口する。肝臓からは胆管を経て胆汁が分泌され,脂質の消化をたすける。一方,膵臓からの膵液はタンパク質,脂肪,炭水化物を消化する酵素を含む。また,胃壁,腸壁には胃腺,腸腺があり,胃酸や消化酵素を分泌する。さらに,爬虫類以上の脊椎動物では唾液(だえき)腺が発達し,口腔中に唾液を分泌している。哺乳類の唾液腺には顎下腺,舌下腺,耳下腺などがある。
一方,無脊椎動物では,軟体動物や節足動物などに中腸腺があり,消化酵素を分泌して胃に送っている。脊椎動物の肝臓と膵臓をあわせた機能を示すことから,肝膵臓とよばれる。ザリガニの中腸腺には3,4種の細胞が区別され,リパーゼ,アミラーゼ,マルターゼなどの消化酵素が分泌される。無脊椎動物の唾液腺は,消化腺のほか粘液腺,絹糸腺,毒腺として分化している。軟体動物のヒザラガイはアミラーゼ,カタツムリはセルラーゼ,アミラーゼ,β-フルクトシダーゼなどをそれぞれ唾液腺から分泌し,代表的な消化腺である。
執筆者:町田 武生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
略称 EEZ。沿岸国が水産資源や海底鉱物資源などについて排他的管轄権を行使しうる水域。領海を越えてこれに接続する区域で,領海基線から 200カイリの範囲をいう。沿岸国は,水中ならびに海底と地下の天然資...
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