広い(読み)ヒロイ

デジタル大辞泉 「広い」の意味・読み・例文・類語

ひろ・い【広い/×宏い/×弘い】

[形][文]ひろ・し[ク]
面積が大きい。空間余裕がある。「―・い部屋」「―・い野原」⇔狭い
間隔に余裕がある。幅が大きい。「―・い道路」「出口が―・い」⇔狭い
(「博い」とも書く)大きい範囲に行きわたっている。「顔が―・い」「―・い知識を持つ」⇔狭い
(「寛い」とも書く)寛大で度量が大きい。「心が―・い」⇔狭い
繁栄している。
ゆき掛くる伴の緒―・き大伴に国栄えむと月は照るらし」〈・一〇八六〉
[派生]ひろさ[名]
[類語](1広やか広大広壮広闊こうかつ開豁かいかつ広漠空漠茫漠茫茫渺茫びょうぼう茫洋洋洋だだっ広い漠漠渺渺びょうびょう豁然かつぜん広域空闊くうかつ蒼茫浩浩広大無辺無辺無辺際一望千里果てし無い手広い(幅が広い)幅広はばびろワイド広角広広/(3幅広い手広い広範広範囲広博該博多方面多角多面多岐さまざま各種種種諸種いろいろ多様多様化多面的多種多種多様多彩数数いろんなとりどり色とりどりもろもろ百般万般諸般多元多元的多角的横断的複眼的おしなべて一般全般に総じて概して多くおおむね大概普通通例通常一体に総体およそあまね雑多よろす各人各様十人十色千差万別マルチ事事物物種種雑多各様種種くさぐさ玉石混淆こんこう凡百ぼんぴゃく百態百事百千万端各般数多あまた数多すうた数次幾度等等諸相諸物山ほどざらあれこれ何やかや何だかんだ何のかの何くれ何くれとなくあれやこれやごちゃごちゃ枚挙にいとまがない十指に余るあの手この手エトセトラ/(4寛闊かんかつ寛大寛容寛弘かんこう広量大様おおよう大らかおっとりさりげない何気ないそれとなくそれとなしに何心ない遠回し気軽い何とはなし鷹揚おうよう磊落らいらく開豁かいかつ闊達豪胆豪放剛毅放胆大胆太っ腹雅量大量広量悠揚悠然泰然泰然自若綽然しゃくぜん自若悠悠浩然堂堂正正堂堂毅然肝が据わる腹が据わる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「広い」の意味・読み・例文・類語

ひろ・い【広・寛・濶・弘】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ひろ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 空間・面積が大きい。幅・奥行が狭くない。
    1. [初出の実例]「天地は 比呂之(ヒロシ)といへど 吾が為は 狭(さ)くやなりぬる」(出典万葉集(8C後)五・八九二)
  3. 豊かである。充実している。
    1. (イ) 豊満である。ふくよかである。
      1. [初出の実例]「胸別(むなわけ)の 広(ひろき)吾妹(わぎも) 腰細の すがる娘子(をとめ)の」(出典:万葉集(8C後)九・一七三八)
    2. (ロ) 数が多い。繁栄している。
      1. [初出の実例]「靫(ゆき)懸くる伴の男広伎(ひろキ)大伴に国栄えむと月は照るらし」(出典:万葉集(8C後)七・一〇八六)
  4. 多方面に行き渡っている。及ぶ範囲が大きい。手広い。
    1. [初出の実例]「二に泛(ヒロク)行ふべき所の事を示す」(出典:蘇悉地羯羅経略疏寛平八年点(896))
  5. ゆったりしている。悠々としてこだわらない。おうようである。
    1. [初出の実例]「既に壮にして寛博(ひろく)謹慎みて」(出典:日本書紀(720)崇神即位前)
    2. 「ひろき心ゆたかならず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)

広いの補助注記

動詞「ひらく(開)」また「ひら(平)」、「はら(原・腹)」と語源的に関係があると思われる。

広いの派生語

ひろ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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