済寧(読み)さいねい(英語表記)Jǐ níng

改訂新版 世界大百科事典 「済寧」の意味・わかりやすい解説

済寧 (さいねい)
Jǐ níng

中国山東省南西部の都市。〈せいねい〉ともいう。人口105万(2000)。泰山山地の西,大運河の沿岸にある。中原と山東を結ぶ華北要衝で,春秋時代には華北東部の宋,衛,魯,斉など各国のあいだの争乱の中心であった。秦に対する合従連衡を説いた蘇秦が〈亢父(こうほ)の険〉と呼び,斉国防御の要地としたのもこの地である。漢代には任城県が置かれ,後漢には任城国となり,以後州郡の中心となった。済寧の名は元代の済寧路にはじまる。元代に会通河が開かれてからは,大運河漕運の重要な拠点となった。市内には李白が遊んだとされる太白楼や,北宋の鉄塔寺,もと文廟にあったという漢碑群などがある。
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百科事典マイペディア 「済寧」の意味・わかりやすい解説

済寧【さいねい】

〈せいねい〉とも。中国,山東省南西部の都市。古名は任城。大運河東岸にある。京滬(けいこ)鉄路(北京〜上海)の支線が通じ,省西部の農産物集散地工業食品加工農機具が主。市の北東40kmに曲阜(きょくふ)がある。郊区を含めて178万人(2014)。

済寧【せいねい】

済寧(さいねい)

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世界大百科事典(旧版)内の済寧の言及

【済寧】より

…漢代には任城県が置かれ,後漢には任城国となり,以後州郡の中心となった。済寧の名は元代の済寧路にはじまる。元代に会通河が開かれてからは,大運河漕運の重要な拠点となった。…

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