湯涌温泉(読み)ゆわくおんせん

日本歴史地名大系 「湯涌温泉」の解説

湯涌温泉
ゆわくおんせん

[現在地名]金沢市湯涌町

湯涌町の南部にあり、養老年間(七一七―七二四)泰澄によって開かれたとの伝承も残る(加賀志徴)泉質はナトリウム・カルシウム塩化物硫酸塩泉で、湯温は摂氏約四〇度。皮膚病・腫物切傷火傷などに効能を有し、「加賀志徴」は蟒に半分呑込まれた蟇が、当温泉の湯につかって傷を癒し、回復したとの伝説を記す。加賀藩三代藩主前田利常も来訪し、その時の旅館主新右衛門に苗字帯刀を許したという(石川郡誌)。元禄期(一六八八―一七〇四)には湯治客より一人二匁の湯賃を取り、湯涌村では湯役銀四枚(一七二匁)を上納している(国産抄)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯涌温泉」の意味・わかりやすい解説

湯涌温泉
ゆわくおんせん

石川県金沢市の南東部、浅野川上流の谷間にある温泉。養老(ようろう)年間(717~724)の開湯と伝える。泉質は塩化物泉。付近に江戸時代商家農家などを展示する金沢湯涌江戸村(2010年開設)、竹久夢二の肉筆画、版画などを展示した金沢湯涌夢二館(2000年開館)などがある。また、旧檀風苑(だんぷうえん)(1997年閉鎖)跡地に設立された金沢湯涌創作の森(2003年設立)には、版画、染色などの工房ギャラリー、宿泊施設などがある。金沢駅からバスの便がある。

[矢ヶ崎孝雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湯涌温泉」の意味・わかりやすい解説

湯涌温泉
ゆわくおんせん

石川県中央部,金沢市の南東部にある温泉。浅野川上流にのぞむ。金沢市街地に近く,市民の保養地として親しまれている。泉質は食塩泉。泉温は 40℃。周辺に江戸時代の建物を移築した江戸村がある。

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デジタル大辞泉プラス 「湯涌温泉」の解説

湯涌温泉

石川県金沢市南東部、浅野川上流にある温泉。“湯涌”は「ゆわく」と読む。加賀藩主前田家の湯治場。竹久夢二の小説にも描かれ、金沢湯涌夢二館がある。

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