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湯灌 ゆかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

湯灌
ゆかん

納棺に先立って死体を洗い清めること。本来死者を裸にして,たらいの湯で全身を洗うのをたてまえとし,近親者が縄帯縄襷 (たすき) 姿で洗った。使用した湯は日に当てないよう,床下などに捨てる。近来は簡略化され,アルコールや濡れ手拭などで顔と手足をふくだけになった。

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デジタル大辞泉の解説

ゆ‐かん〔‐クワン〕【湯×灌】

[名](スル)仏葬で、死体を棺に納める前に湯水でぬぐい清めること。湯洗い。
[補説]使用する湯は逆さ水(水に熱湯を注いで適温にしたもの)を用いる。現在ではアルコールでふき清めたり、洗髪や顔周辺を洗うことで湯の代わりとすることもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆかん【湯灌】

入棺にあたり死者の身体を湯で洗うこと。近親者の主として男が行う。深更にわら縄のたすきをかけ,死者をたらいに入れて左杓で湯をかけて行う。死体をおこすとき声をかけてするところが多い。湯灌のあと近親者などが死者の頭や顔をそる。湯は床下などの日のあたらない所に捨てる。身体を洗い頭をそるので,湯灌は出家の作法を意味している。平安時代末期にも行われ,湯殿事とか沐浴とか書かれている。【田中 久夫】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

湯灌
ゆかん

死者の納棺に先だって遺体を洗うこと。以前は近親者が裸で、あるいは縄帯(なわおび)・縄襷(なわだすき)姿で、たらいの湯で洗った。その湯は逆(さか)さ水といって、水の中に湯を注ぐ。湯灌の水をくむときは、逆さ柄杓(ひしゃく)といって川下に向かって柄杓ですくう。使った湯は縁の下など日の当たらないところに捨てる。いまは簡略になって、ぬれ手拭(てぬぐい)でちょっと体をふいたり、アルコールでぬぐう。遺体を清潔にするためと、仏教の灌頂(かんじょう)儀礼の混同であるが、人の一生の通過儀礼のうち、次の段階への移行儀礼の一つである。[井之口章次]

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