湿す(読み)シメス

デジタル大辞泉 「湿す」の意味・読み・例文・類語

しめ・す【湿す】

[動サ五(四)]
水分少し与える。しめらす。「ガーゼを―・して傷口をふく」「のどを―・す」
筆に墨をつける。転じて、手紙を書く。「一筆―・しまいらせ候」
水でぬらして火を消す。灯火などを消すことにもいう。
釣行灯つりあんどうの光をわざと―・して」〈浮・一代男・七〉
[類語]濡れる湿る潤う濡らす潤す濡れそぼつ湿気る潤む浸潤じめつくじとつくそぼつそぼ濡れるしょぼたれるしょぼ濡れる潮たれる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「湿す」の意味・読み・例文・類語

しめ・す【湿】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. しめらせる。濡らす。湿りけを与える。
    1. [初出の実例]「はり物をしめす、しめし如何。しめしは湿布とも潤布ともかけり、みな義道也」(出典:名語記(1275)八)
    2. 「毛心はさむい泉の水があるぞ。我がかってをいた薪をしめさぬやうにせい」(出典:京大二十冊本毛詩抄(1535頃)一三)
  3. 水に濡らして火を消す。転じて、灯火などを吹き消す。
    1. [初出の実例]「さらば火をしめし候べし」(出典:御伽草子・おようの尼(室町時代短篇集所収)(室町末)下)
    2. 「ほうづきやくちびるでしも吹ぬらん〈玄康〉 蝋燭の火をしめすちゃうちん〈同〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)一)
  4. 筆に墨をつける。転じて、手紙などを書く。
    1. [初出の実例]「明くる日は奉書二枚に長々としめしまいらせ」(出典:浮世草子・好色万金丹(1694)一)

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