潤む(読み)ウルム

デジタル大辞泉 「潤む」の意味・読み・例文・類語

うる・む【潤む】

[動マ五(四)]
湿りけを帯びる。また、水分を帯びて、くもったようになる。物の輪郭がぼやける。「霧に―・む町の灯」
目に涙がにじむ。「目が―・む」
涙で声がはっきりしなくなる。涙声になる。「声が―・む」
打たれたりつねられたりして、皮膚が青黒くなる。
「傷ガ―・ム」〈和英語林集成
色つやが薄れる。鮮やかでなくなる。
「灰捨てて白梅―・む垣根かな/凡兆」〈猿蓑
[類語]濡れる湿る潤う湿す濡らす潤す濡れそぼつ湿気る浸潤じめつくじとつくそぼつそぼ濡れるしょぼたれるしょぼ濡れる潮たれる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「潤む」の意味・読み・例文・類語

うる・む【潤】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
  2. 打たれたり、つねられたりした跡が、青黒く色づく。あざになる。また、寒さで皮膚が紫色になる。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「形見にとうるむばかりもつみしかな人にすみれの花と知る知る」(出典:木工権頭為忠百首(1136頃)恋)
  3. 果実が熟して、緑色から赤色に変わる(日葡辞書(1603‐04))。
  4. 色つやが薄れる。あざやかでなくなる。
    1. [初出の実例]「灰捨(すて)て白梅うるむ垣ねかな〈凡兆〉」(出典:俳諧・猿蓑(1691)四)
  5. しめりけを帯びる。
    1. (イ) しめりけを帯びて曇る。玉、漆、目などについていう。
      1. [初出の実例]「ものなべてさは妙(たへ)に女の眼ざし あはれそが夢ふかき空色しつつ にほやかになやましの思はうるむ」(出典:邪宗門(1909)〈北原白秋〉魔睡・夢の奥)
    2. (ロ) 目やそのまわりが涙でぬれる。転じて、涙がにじむ。
      1. [初出の実例]「目もとに泪(なみだ)一雫(ひとしづく)うるめば」(出典:浮世草子・好色万金丹(1694)三)
    3. (ハ) 泣いて声がはっきりしなくなる。涙声になる。
      1. [初出の実例]「こゑうるみてなみだぐむ」(出典:人情本・春色恵の花(1836)二)

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