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溌墨 はつぼくpo-mo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

溌墨
はつぼく
po-mo

破墨とともに水墨画の重要な技法。墨をはね散らして自然に形象を表現するもので,筆を使わず墨だけで形全体を決定する。中国,中唐頃の王墨が創始した墨法はかなり奇狂なものであったが,のち次第に温和化し,中国絵画の主要な描写形式となり,山水人物画などに応用された。

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デジタル大辞泉の解説

はつ‐ぼく【×溌墨】

水墨画の技法の一。画面に墨をそそいで一気に着衣の人物像や山・石・樹木などの形を描くと同時に、その濃淡で立体感を表すもの。中国盛唐後期に始まる。→破墨(はぼく)

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百科事典マイペディアの解説

溌墨【はつぼく】

水墨画の基本的画法の一つ。伝統的な骨法用筆のたてまえに従う破墨に対し,輪郭線を描かず直接に墨を溌(そそ)ぎ,その濃淡のある墨のかたまりによって形体を表す。破墨が形似を目ざすのと逆に,写意を重視した技法といえる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

溌墨
はつぼく

破墨(はぼく)とともに水墨画の技法を示す語。両者を区別し、定義づけることはむずかしい。溌墨は、墨を溌(そそ)ぐとあるように、淡墨で大体の図をつくり、これが乾かないうちに勢いよく濃墨を溌いで、一気に形状を表現する技法。墨色の濃淡の変化によって、立体感や生動感を表すところにその妙がある。中国では水墨画の発生とともに発達したもので、盛唐後期(8世紀中期)の山水樹石画に初めて現れた。宋(そう)代の画家玉澗(ぎょくかん)の『瀟湘(しょうしょう)八景図』(諸家分蔵)などはこの技法による代表的遺例である。また雪舟が弟子の宗淵(そうえん)に与えた有名な『破墨山水図』(国宝、東京国立博物館)も実際には溌墨によるとみられる。[榊原 悟]

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