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漁業労働 ぎょぎょうろうどう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

漁業労働
ぎょぎょうろうどう

漁業における人間労働。その特質は生産力の発展の度合い,とりわけ漁労技術の体系と,生産関係の発展の程度との両面によって大きく規定される。前者は,(1) 原始的生産手段である海洋ないし一定の漁場によって,(2) それと有機的一体であり不可欠な要素である労働手段,具体的には漁船,漁具等の技術体系によって,(3) 採捕される生物的水産資源が他のそれと異なった更新性の特徴をもつことによって,大きく規定されることになる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょぎょうろうどう【漁業労働】

水産動植物を対象にして行われる労働で,大別すると三つに分けられる。(1)遠洋漁業では,大型漁船を使用し,機械を導入している。その労働は,運航労働,魚群探索労働,漁労労働,漁獲物処理労働等から構成され,分業化が進んでいる。雇用も,ほぼ年間雇用が確立している。(2)沖合漁業では,分業の程度が低く,年間雇用が多くなったとはいえ,まだ漁期間雇用がかなりの部分を占めている。(3)沿岸漁業を営む漁家労働は,農業労働と同じような性格をもつ養殖労働と,小型漁船を使用する労働とがあり,どちらも家族労働力によって行われている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

漁業労働
ぎょぎょうろうどう

水界の動植物を採捕、栽培、増・養殖するための生産活動をいう。大型漁船で高度の装備を備え、遠洋漁場まで出漁する大規模漁船漁業では、船長、漁労長(船頭)、航海士、機関長、機関士、通信士、甲板員(漁夫)などの職種に分かれるが、小型漁船で沿岸漁業や養殖漁業を営む場合には、家族経営が主であって、航行から漁獲までのすべての労働が少数の従事者によって行われる。
 漁業労働は漁業種やその規模によって、労働内容、労働時間、労働強度が異なるが、一般的に次の特徴がある。
(1)労働の季節性。漁業は、水界に生息し、季節的に回遊・移動する魚類や、季節にしたがって成長する海藻・貝類を採捕する産業であるから、それら魚貝藻類の自然的・生態的特性に制約される。また魚貝藻類の産卵、繁殖の時期には水産資源保護を目的とした禁漁期間が設定されるために、これによっても制約を受ける。また海洋の気象条件によっても漁期が制限される。季節的な制約を克服して、漁場をかえながら、同一の漁法で周年操業する業種は、遠洋のマグロ延縄(はえなわ)漁業、遠洋トロール漁業など少数である。
(2)労働の不規則性。漁業労働は、移動する魚群を捕獲するために、魚群の発見にしたがって作業を開始するので、1日の漁労作業を計画的に設定することができない。同一漁場で同一時間作業しても資源状況によって漁獲量が異なることが多く、労働は時間的にも強度からいっても不規則となる。もちろん天候によっても左右される。
(3)労働・生活環境の閉鎖性。遠洋漁業の場合には、航海期間が1年を超す場合があり、社会的に隔離された狭い船内という労働・生活環境に置かれ、個人的生活と欲望は制約を受ける。このことから、乗組員間の人間関係の管理・統制が、漁労能率を高めるためにも、漁労長の大きな役割となる。
(4)高災害発生率・高疾病率。水上で動揺する漁船での労働は危険性が高く、海中転落や海難事故による死亡・傷害が多い。また狭い船内における長期間の生活と労働から、消化器系・筋骨格系の疾患が多い。1982年度(昭和57)のわが国の漁船船員の災害発生率は漁船以外の汽船の1.6倍、陸上全産業労働の平均の4倍である。
(5)労働収益の不安定性。漁業生産は、水産資源の自然的変動、濫獲などの人為的影響によって生産量が大きく変動し、また、豊凶によって漁獲物の市場価格も変動することから、労働収益も不安定・不確定となる。企業的漁業では漁獲量によって賃金が変動する出来高払いの歩合制がとられている。[高山隆三]
『高山隆三他編著『現代水産経済論』(1982・北斗書房)』

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