潮岬(読み)シオノミサキ

デジタル大辞泉 「潮岬」の意味・読み・例文・類語

しお‐の‐みさき〔しほ‐〕【潮岬】

和歌山西牟婁にしむろ串本町にある、本州南端の岬。串本砂州で結ばれた陸繋島りくけいとう

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精選版 日本国語大辞典 「潮岬」の意味・読み・例文・類語

しお‐の‐みさきしほ‥【潮岬】

  1. 紀伊半島南端の、太平洋に突き出た岬。和歌山県串本町に属する。もともと、東側大島と同様に島であったが、砂州によって本土とつながった。本州最南端の地で、岬の先端潮岬灯台がある。塩崎。潮御崎

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日本歴史地名大系 「潮岬」の解説

潮岬
しおのみさき

[現在地名]串本町潮岬

串本の南に続く潮岬台地の南西端にあり、本州最南端にあたる。東経一三五度四六分、北緯三三度二六分。灯台を中心に常緑広葉樹が茂り、県指定名勝。半島全体は平坦な海食台地で、標高四、五〇メートル。多くの入江と海食崖に囲まれ、海岸一帯は吉野熊野国立公園に含まれる。黒潮断崖絶壁に当り砕け、視界を遮るものもない雄大な眺望で、寛政五年(一七九三)の熊野五景図巻(桑山玉洲画、兵庫県藪本家蔵)に熊野奇勝の一つとして描かれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「潮岬」の意味・わかりやすい解説

潮岬 (しおのみさき)

紀伊半島南端にある陸繫(りくけい)島。和歌山県串本町に属する。岬の先端は北緯33°25′54″に位置し,本州最南端である。かつて島であったと思われるが,砂州によって本土と結ばれた。斑レイ岩からなり,表面はその風化した淡い黒ボク土壌が広がる。紀伊半島の海岸と同様に海岸段丘が発達し,標高40mと60m付近に平たん面が広がっている。温暖な気候を利用して,花卉の暖地栽培が行われている。大坂~江戸の廻船はこの沖合を回ったため,近世には岬の南西の上野(うわの)に遠見番所が置かれていた。1873年にはそこに潮岬灯台が設置された。岬は東部が出雲,西部が上野の2集落に分かれていたが,1889年合して潮岬村となり,1955年には串本町と合併した。水に乏しく長い間天水を飲料としてきたが,73年対岸の二色川を水源とする上水道が整備された。さらに出雲地区には畑地灌漑施設が整えられた。岬の南岸は黒潮が磯を洗う海食崖が発達し,景観は雄大である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「潮岬」の意味・わかりやすい解説

潮岬
しおのみさき

潮ノ岬、潮御埼、塩の岬とも書く。和歌山県南部、東牟婁(ひがしむろ)郡串本(くしもと)町にある岬。太平洋に臨む先端は北緯33度26分で本州最南端にあたる。串本から長さ約900メートルの砂州で結ばれた面積約7平方キロメートルの陸繋島(りくけいとう)の南端の岬で、岬の崖(がけ)上には1873年(明治6)点灯の潮岬灯台や観光タワーがある。

 なお、1889年(明治22)から1955年(昭和30)の串本町への合併まで陸繋島だけで潮岬村だったので島全体を潮岬ともよぶ。平坦(へいたん)な海成段丘で、集落には屋敷林や石垣がみられる。周囲は20~40メートルの海食崖(がい)をなす。吉野熊野国立公園域。島にはかつて捕鯨を行った出雲(いずも)、上野の漁村がある。

[小池洋一]


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百科事典マイペディア 「潮岬」の意味・わかりやすい解説

潮岬【しおのみさき】

和歌山県南端,本州の最南端(北緯33°26′)にあたる小半島。標高40〜60mの平たんな隆起海食台地が広がる陸繋(りくけい)島で,黒潮の流れが近く南国的な景勝地。狭義には南西端の岬をいい,ここに光達距離19カイリの灯台が立つ。串本町に含まれ,小漁業集落がある。吉野熊野国立公園に属する。
→関連項目串本[町]和歌山[県]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「潮岬」の意味・わかりやすい解説

潮岬
しおのみさき

和歌山県最南端,太平洋に突出する岬。本州最南端に位置し,串本町に属する。長さ約 900mの砂州で紀伊半島と結ばれた陸繋島で,標高 40~60mの海食台地から成る。台地上には上野 (うわの) ,出雲などの集落があり,各家は防風林や石垣で囲まれている。黒潮の影響で気候は温暖。岬には明治時代に点灯した潮岬灯台,測候所があり,1961年には観光タワー,72年には周遊線も完成して観光化が進んでいる。吉野熊野国立公園に属する。

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