濁河温泉(読み)にごりごおんせん

日本歴史地名大系 「濁河温泉」の解説

濁河温泉
にごりごおんせん

[現在地名]小坂落合 唐谷

摩利支天まりしてん(二九五九・二メートル)を源とするノ谷に湧出する。御嶽おんたけ登山道六合目付近に位置し、標高一八六〇メートル、旅館営業を行っている温泉としては日本で最高所といわれる。芒硝性苦味泉で湯の温度は摂氏五四度、湧出量も豊富で、浴用では胃腸病・肝臓病・皮膚病・神経痛・脳病・婦人病などに効能がある。発見の年代は不詳。口碑によれば、明治二〇年(一八八七)頃より落合おちあい村二村芳平が当地を開拓し、宿屋営業を始めたのが始まりという。昭和三四年(一九五九)御嶽開発株式会社により落合から乗合自動車の運行が開始され、その後温泉への自動車道は県道に編入された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「濁河温泉」の意味・わかりやすい解説

濁河温泉
にごりごおんせん

岐阜県下呂市(げろし)小坂(おさか)町落合にある温泉。御嶽(おんたけ)山の登山道六合目、標高約1800メートルにある。高温で湧出(ゆうしゅつ)量が豊かな二酸化炭素泉で、市営野天風呂(ぶろ)もある。付近には白糸ノ滝シラベコメツガトウヒなどの原生林があり、遊歩道が整備されている。JR高山本線飛騨(ひだ)小坂駅から車で約70分。雪質のよいスキー場もある。御嶽山麓(ろく)の下島(したじま)温泉、湯屋(ゆや)温泉とともに、国民保養温泉地(小坂温泉郷)に指定されている。

[上島正徳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「濁河温泉」の意味・わかりやすい解説

濁河温泉
にごりごおんせん

岐阜県中東部,御嶽山の西側中腹に位置する温泉。下呂市小坂地区に属する。標高 1800mと,全国でも有数の高所に湧く温泉で,深い森に囲まれて十数軒の宿が集まって温泉街を形成泉質芒硝泉泉温は 52℃。神経痛,皮膚病,水虫などに特効があり,長期滞在の療養客が多い。湯量も豊富で,露天風呂もある。御嶽山の飛騨側の登山基地となるほか,新緑や紅葉が美しく,観光客でもにぎわう。湯屋温泉下島温泉とともに小坂温泉郷として国民保養温泉地に指定されている。

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