日本大百科全書(ニッポニカ) 「瀬峰」の意味・わかりやすい解説
瀬峰
せみね
宮城県北部、栗原郡(くりはらぐん)にあった旧町名(瀬峰町(ちょう))。現在は栗原市の南東部を占める地域。1951年(昭和26)藤里(ふじさと)村が町制施行して瀬峰町となる。2005年(平成17)築館(つきだて)、若柳(わかやなぎ)、栗駒(くりこま)、高清水(たかしみず)、一迫(いちはさま)、鶯沢(うぐいすざわ)、金成(かんなり)、志波姫(しわひめ)の8町および花山村(はなやまむら)と合併して市制施行し、栗原市となった。迫(はさま)川の遊水池の蕪栗(かぶくり)沼周辺の水田地帯であったが、1887年(明治20)に東北線が開通して旧奥州街道高清水(たかしみず)宿の門戸となり、また大正時代に仙北鉄道(せんぼくてつどう)が通じて築館などと結んで仙北平野の交通の中心、また農産物の集散地となった。1948年に仙北鉄道は廃止され、産業も停滞ぎみであったが、近年では住宅団地や工業団地が造成され、衣料、飼料などの工場進出がみられる。JR東北本線瀬峰駅があり、駅近くの五輪堂山公園はサクラ約600本が植えられ、4月には桜祭りが行われる。なお、蕪栗沼と周辺水田は2005年(平成17)に、ラムサール条約登録湿地となり、旧瀬峰町域の一部も含まれる。
[長谷川典夫]