無花果(読み)イチジク

デジタル大辞泉 「無花果」の意味・読み・例文・類語

いちじく【無果/映果】

クワ科の落葉高木。高さ約4メートル。葉は手のひら状に裂けていて、互生する。初夏、卵大の花嚢かのうを生じ、内部多数雄花雌花をつけるが、外からは見えない。熟すと暗紫色になり、甘く、生食のほかジャムなどにする。茎・葉は薬用。寛永年間(1624~1643)に渡来した。日本のものは雄花を欠き、挿し木でふやす。いちじゅく。 秋》「―をもぐ手を伝ふ雨雫/虚子

むか‐か〔ムクワクワ〕【無花果】

イチジク漢名

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精選版 日本国語大辞典 「無花果」の意味・読み・例文・類語

いちじく【無花果・映日果】

  1. 〘 名詞 〙
  2. クワ科の落葉小高木。小アジア原産で江戸初期に渡来し、各地で栽植される。高さ二~五メートル。樹皮褐色。多く分枝し、幹、枝は湾曲する。葉は掌状に三~五裂し、裏面に細毛をもつ。春から夏に倒卵形で肉厚の花嚢をつける。花嚢は中に無数の白い小さな花をもち、暗紫色か白緑色に熟し、食用となる。乾した茎、葉、実は駆虫緩下剤、下痢止めになり、液汁は疣(いぼ)、うおのめなどに効くという。とうがき。ほろろいし。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「無菓花や広葉にむかふ夕涼〈惟然〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)夏)
  3. 植物いぬびわ(犬枇杷)」の異名。〔大和本草(1709)〕

いちじゅく【無花果】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いちじく(無花果)
    1. [初出の実例]「無花果 波奈々志、久太毛乃、今案、一熟也」(出典:多識編(1631)三)
    2. 「無花果(イチジュク)の乳をすすり、ほのぼのと歌はまし」(出典邪宗門(1909)〈北原白秋〉天草雅歌・角を吹け)
  3. いちじく(無花果)語彙(1871‐84)〕

むか‐かムクヮクヮ【無花果】

  1. 〘 名詞 〙 植物「いちじく(無花果)」の漢名。〔薬品手引草(1778)〕

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「無花果」の解説

無花果[果樹類]
いちじく

東海地方愛知県地域ブランド
主に安城市・碧南市などで生産されている。いちじく栽培が愛知県で本格化したのは、昭和40年代以降。昔は薬としても使われていた。食物繊維・ビタミン類・カルシウム・鉄分などのミネラルを多く含み、美容と健康によい。ハウス栽培と露地栽培ともにある。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「無花果」の解説

無花果 (イチジク・イチジュク;トウガキ)

学名:Ficus carica
植物。クワ科の落葉低木,園芸植物,薬用植物

無花果 (イチジュク)

植物。クワ科の落葉低木・小高木。イヌビワの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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