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王水 おうすいaqua regia

翻訳|aqua regia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

王水
おうすい
aqua regia

塩酸濃硝酸を混ぜた混合物のことで,通常体積比で濃塩酸3に濃硝酸1を混ぜたものをいう。この溶液中には,次の反応で生じる塩素や塩化ニトロシル (赤色) が含まれ,強い酸化作用を呈する。

HNO3+3HCl→Cl2+NOCl+2H2O

王水は単独の硝酸,塩酸に溶けない白金などの貴金属を塩化物として溶解させる。また硫化物鉱石やテルル・セレン鉱物,鉛や銅の合金,種々の金属のヒ化物鉱石,亜鉛合金,ニッケル鉱,フェロタングステンなどの分析試料をよく溶解するので,化学分析における分解剤として重要である。

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デジタル大辞泉の解説

おう‐すい〔ワウ‐〕【王水】

容積が濃硝酸1、濃塩酸3の割合の混合液。通常の酸では溶けない金や白金などの貴金属をも溶かすのでこの名がある。

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百科事典マイペディアの解説

王水【おうすい】

濃塩酸と濃硝酸の混合物。通常は濃塩酸3と濃硝酸1に混合。硝酸では溶解しない金,白金などの貴金属をも溶かすのでこの名がある。強酸化剤。分析化学で溶解剤として使用。

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栄養・生化学辞典の解説

王水

 硝酸1,塩酸3の比率で混合した混合酸.金や白金などの貴金属を溶解することができる.

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世界大百科事典 第2版の解説

おうすい【王水 aqua regia】

濃硝酸と濃塩酸を混合した溶液。ふつうは濃硝酸1容と濃塩酸3容を混合したものをいう。硝酸は強力な酸化剤であり,不働態をつくるアルミニウム,鉄,クロムなどは別としてほとんどの金属を侵すが,金,白金,ロジウムイリジウムなどの貴金属は溶かすことができない。この硝酸だけでは反応しない貴金属もこの溶液には溶解することから,錬金術師によってaqua regia(〈水の王〉の意)と名づけられた。溶液中では次式に示す平衡が成り立っており,生ずる遊離塩素および塩化ニトロシルNOClが有効な触媒となって金属と反応する。

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大辞林 第三版の解説

おうすい【王水】

濃塩酸と濃硝酸とを体積比三対一に混合した黄色の発煙性液体。強烈な酸化剤で、通常の酸に溶けない金や白金をも溶かす。金属の王である金を溶かすところから命名された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

王水
おうすい
aqua regia

濃硝酸と濃塩酸との混合物の通称。普通のどんな酸にも溶けない金や白金のような貴金属をも溶かすのでこの名がある。普通は濃硝酸1容と濃塩酸3容を混合したものであるが、試料を熱するなどの必要がある場合には初めから2倍に薄めて使うこともあり、これを希王水という。また組成を逆にした濃硝酸3容と濃塩酸1容の混合物を逆王水とよび、たとえば黄鉄鉱中の硫黄(いおう)を酸化溶解して硫酸イオンにする場合などに用いられる。
 王水の酸化作用は次の反応の平衡が右へ行くことによって生ずる発生期の塩素と塩化ニトロシルの反応性によるものであるとされている。

一般に王水で処理して溶かすと金属イオンはその金属の最高原子価を示すのであって、たとえば、

のようである。[中原勝儼]

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