出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
小笠原諸島の中心をなす列島。北緯27°02′~12′,東経142°09′~15′に位置し,最大の父島(面積25km2),兄島(8km2),弟島(5km2)を中心に孫島,西島,東島,南島などの小島からなる。列島の総面積は39km2。全域が東京都小笠原支庁小笠原村に属する。母島列島,聟島(むこじま)列島と合わせて南北約200kmにわたって連なる海底山脈の頂部が,海上に現れて島となったもので,山脈のふもとは水深3000mの海底であるが,列島中の最高点の父島の中央山の標高は320mにすぎない。3列島とも第三紀初期に海底で噴火した安山岩類の枕状溶岩と,同じ時代の凝灰岩層とからなる単純な地質構造をもつが,隆起と沈降を繰り返した結果,海岸線は屈曲に富み,父島の二見港,巽(たつみ)湾,兄島の滝の浦湾などの奥深い湾入や,父島の八瀬浜,金石浜,初寝浦の砂浜が,岬の突出した磯や海食崖と対照的な景観をみせる。父島の南西には沈水カルスト地形からなる南島があり,石灰岩の溶食によって形成されたラピエの裸岩や大小のドリーネが見られ,学術的にも貴重である。父島と兄島の間の狭い海峡(兄島瀬戸)は小笠原で最もサンゴ礁の発達した地域であるが,そのほか兄島西岸や父島の海岸線のところどころにも造礁サンゴの現生大群落をみることができる。
第2次大戦前には父島の大村と扇浦には集落があり,標高100~200mの山腹緩斜面にはサトウキビ畑などの農地跡,八瀬川下流の谷床面には水田跡がみられる。戦後はアメリカ軍の施政下におかれたが,1968年に返還され,旧島民の復帰も相次いだ。大村には小笠原支庁をはじめ公共施設が集まり,小笠原村の中心をなす。
執筆者:浅海 重夫
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