父島列島(読み)ちちじまれっとう

精選版 日本国語大辞典 「父島列島」の意味・読み・例文・類語

ちちじま‐れっとう ‥レッタウ【父島列島】

東京都小笠原諸島中部列島。北から孫島・弟島兄島・東島・父島南島ほか属島が並ぶ。第二次大戦後アメリカ合衆国の軍政下に置かれていたが、昭和四三年(一九六八返還

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デジタル大辞泉 「父島列島」の意味・読み・例文・類語

ちちじま‐れっとう〔‐レツタウ〕【父島列島】

小笠原諸島中部の列島。父島のほか、孫島・弟島・兄島・東島・南島などからなる。平成23年(2011)「小笠原諸島」の名で世界遺産自然遺産)に登録された。

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日本歴史地名大系 「父島列島」の解説

父島列島
ちちじまれつとう

小笠原諸島を構成する列島の一つ。聟島むこじま列島の南に位置し、北緯二七度〇二分―二七度一〇分、東経一四二度〇九分―一四二度一四分の間に父島・あに島・おとうと島・まご島・ひがし島・西にし島・みなみ島・瓢箪ひようたん島・人丸ひとまる島およびこれらに付属する群小島で構成される。父島には天保元年(一八三〇)にアメリカ人セーボレーが入植、同一〇年頃には約三〇人の欧米系外国人が居住していた。明治二〇年(一八八七)には弟島に二戸・三人、同二一年に兄島には一戸・一人が入植したが、その他の島々無人島であった。

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改訂新版 世界大百科事典 「父島列島」の意味・わかりやすい解説

父島列島 (ちちじまれっとう)

小笠原諸島の中心をなす列島。北緯27°02′~12′,東経142°09′~15′に位置し,最大の父島(面積25km2),兄島(8km2),弟島(5km2)を中心に孫島,西島,東島,南島などの小島からなる。列島の総面積は39km2。全域が東京都小笠原支庁小笠原村に属する。母島列島,聟島(むこじま)列島と合わせて南北約200kmにわたって連なる海底山脈の頂部が,海上に現れて島となったもので,山脈のふもとは水深3000mの海底であるが,列島中の最高点の父島の中央山の標高は320mにすぎない。3列島とも第三紀初期に海底で噴火した安山岩類の枕状溶岩と,同じ時代の凝灰岩層とからなる単純な地質構造をもつが,隆起と沈降を繰り返した結果,海岸線は屈曲に富み,父島の二見港,巽(たつみ)湾,兄島の滝の浦湾などの奥深い湾入や,父島の八瀬浜,金石浜,初寝浦の砂浜が,岬の突出した磯や海食崖と対照的な景観をみせる。父島の南西には沈水カルスト地形からなる南島があり,石灰岩の溶食によって形成されたラピエの裸岩や大小のドリーネが見られ,学術的にも貴重である。父島と兄島の間の狭い海峡(兄島瀬戸)は小笠原で最もサンゴ礁の発達した地域であるが,そのほか兄島西岸や父島の海岸線のところどころにも造礁サンゴの現生大群落をみることができる。

 第2次大戦前には父島の大村と扇浦には集落があり,標高100~200mの山腹緩斜面にはサトウキビ畑などの農地跡,八瀬川下流の谷床面には水田跡がみられる。戦後はアメリカ軍の施政下におかれたが,1968年に返還され,旧島民の復帰も相次いだ。大村には小笠原支庁をはじめ公共施設が集まり,小笠原村の中心をなす。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「父島列島」の意味・わかりやすい解説

父島列島
ちちじまれっとう

東京都小笠原諸島の一部を構成する列島。面積 38.62km2。小笠原支庁小笠原村に属する。北緯 27°~27°10′,東経 142°12′付近に分布し,孫島,弟島兄島,西島,東島,父島,南島など 33島からなる。父島が最大で,父島以外は無人島。亜熱帯性の気候で,付近の海域にはサンゴ礁,熱帯魚が多い。小笠原国立公園に属する。2011年世界遺産の自然遺産に登録。

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百科事典マイペディア 「父島列島」の意味・わかりやすい解説

父島列島【ちちじまれっとう】

小笠原群島の中部にある島群。父島(23km2),兄島(8km2),弟島(5km2),東島,西島,孫島,南島などからなる。最大の父島は小笠原諸島の主島でもあり,北西岸の二見港に面し主集落の大村がある。東京都小笠原支庁小笠原村に属する。
→関連項目小笠原諸島母島列島

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