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父帰る ちちかえる

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

父帰る
ちちかえる

菊池寛戯曲。 1917年発表,19年8月武田正憲試演会初演。 20年 10月に2世市川猿之助の春秋座旗揚げ公演でも上演され,その,近代的個人主義,合理主義肉親の情の相克を平明簡潔にとらえた大衆性により,近年まで上演回数の最も多い戯曲の一つとなった。

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デジタル大辞泉の解説

ちちかえる〔ちちかへる〕【父帰る】

菊池寛の戯曲。一幕大正6年(1917)発表、大正9年(1920)初演。妻子を捨てて20年後、落ちぶれて帰ってきた父を迎える家族の複雑な心情を描く。
野村芳亭監督による映画の題名昭和2年(1927)公開。出演、岩田祐吉、鈴木歌子ほか。
堀内真直監督による映画の題名。昭和27年(1952)公開。出演、徳大寺伸、紅沢葉子ほか。
[補説]はいずれもを原作とした作品。

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大辞林 第三版の解説

ちちかえる【父帰る】

戯曲。一幕。菊池寛作。1917年(大正6)発表。20年前妻子を捨て愛人と出奔した父が零落して帰ってくる。母と弟妹は喜んで迎えようとするが長男だけは父を許さない。家族一人一人の複雑な心情と、憎しみを超えた肉親の愛情を描く。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

父帰る
ちちかえる

菊池寛(かん)の戯曲。一幕。1917年(大正6)1月『新思潮』に発表。19年8月、武田正憲(せいけん)らにより赤坂ローヤル館で初演されたが評判とはならず、20年10月、2世市川猿之助(えんのすけ)の春秋座旗揚げ公演に新富座で上演され、好評を博した。明治末ごろの南海道の小都会にある中流階級の家が舞台で、母、長男、次男、長女の4人暮らしの平和な家庭に、20年前情婦と出奔した父親が落ちぶれて帰ってくる。母と次男は年老いた父を迎え入れようとするが、父親がわりに苦労してきた長男は怒りを爆発させる。父はうなだれて家を出ていくが、母と妹の哀願する眼(め)をみて長男は父を呼び戻す。イギリスの劇作家ハンキンの『蕩児(とうじ)帰る』をヒントに書いたが、肉親間の愛憎をテーマに、簡潔な構成と巧みな反転により、近代一幕物の代表作となった。[藤木宏幸]
『『父帰る・屋上の狂人』(新潮文庫) ▽『父帰る・恩讐の彼方に』(旺文社文庫)』

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