日本大百科全書(ニッポニカ) 「牟岐」の意味・わかりやすい解説
牟岐(町)
むぎ
徳島県南東部、海部(かいふ)郡にある町。1915年(大正4)町制施行。JR牟岐線、国道55号(土佐街道)、南阿波(あわ)サンライン(県道日和佐牟岐線)が通じる。町域の大部分は山地で、わずかに太平洋に注ぐ牟岐川沿いや河口に平地がみられる。河口の牟岐港を中心に市街地が形成される。漁港ではアオリイカやウツボなどの水揚げがあり、水産加工も行われる。採貝や採藻も盛んで、水産資源栽培センターがつくられ、収穫の増大が図られている。農業は米作のほか、ネギやオクラや花卉(かき)などの栽培を行う。牟岐港沖合いの出羽島(てばじま)、津島、大島は室戸阿南(むろとあなん)海岸国定公園域で、磯(いそ)釣りの適地。津島暖地性植物群落、出羽島大池のシラタマモ自生地は国指定天然記念物。毎年1月には送り正月の行事左義長(さぎちょう)が行われる。面積56.62平方キロメートル、人口3743(2020)。
[高木秀樹]