物騒(読み)ブッソウ

デジタル大辞泉 「物騒」の意味・読み・例文・類語

ぶっ‐そう〔‐サウ|‐ソウ〕【物騒/物×忩】

[名・形動]
よくない事が起きたり起こしたりしそうな危険な感じがすること。また、そのさま。「―な世の中」「―な連中
ざわざわとして落ち着かないこと。また、そのさま。
京中―の由承る間」〈古活字本保元・上〉
落ち着きがなく、そそっかしいこと。また、そのさま。
「―なる僧にて」〈沙石集・八〉
[補説]「ぶっそう」が「ものさはがし」に「物騒」と当てて音読した和製漢語であるとする説もあるが、保元物語・沙石集とも「物忩」を当てているところからみて疑わしい。また、歴史的仮名遣いも「物忩」ならば「そう」である。
[類語]不穏際どい険悪危険危難危機危殆きたい危地虎口ここうピンチ剣呑けんのん危ない苦境窮地窮境窮状難局羽目険しいやばいきな臭い呉越同舟一触即発風前のともしび薄氷をふむ風雲急を告げる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「物騒」の意味・読み・例文・類語

もの‐さわがし・い【物騒】

〘形口〙 ものさわがし 〘形シク〙 (「もの」は接頭語)
物事が何となく騒々しい。心が何となく落ち着かない。何となくあわただしい。
多武峰少将物語(10C中)「このごろはいかが、あやしうものさはがしく思たまへられてなむ、しばしも聞えぬ」
様子・状態が、穏やかでない。物騒(ぶっそう)である。
平家(13C前)二「よべ何となう世の物さはがしう候しを」
③ 物事のやりかたなどが、せっかちである。あわて騒いだ様子である。気がはやい。
※平家(13C前)一「鳥羽院五歳、近衛院三歳にて践祚あり、かれをこそいつしかなりと申しに、是は二歳にならせ給ふ、先例なし、物さはがしともおろかなり」
ものさわがし‐げ
〘形動〙
ものさわがし‐さ
〘名〙

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