風前の灯火(読み)ふうぜんのともしび

ことわざを知る辞典「風前の灯火」の解説

風前の灯火

風にさらされ、いまにも吹き消されようとする灯火。転じて、物事のはかないことのたとえ。また、目前に危機が迫り、いまにも命が尽きようとしていることのたとえ。

[使用例] 彼らの運命は、依然として風前であった。だが日東男児は、いかなる危険をも恐れない。いかなる艱難も、よくこれを凌ぐのである[海野十三*浮かぶ飛行島|1939]

[解説] 元来は仏教思想に基づくもので、人間の一生や生命がはかないことのたとえであったが、単に危機的な場面の状況描写にも多用されている。

〔異形〕風の前の灯火

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故事成語を知る辞典「風前の灯火」の解説

風前の灯火

ものごとのはかないことのたとえ。また、今にもだめになってしまいそうなことのたとえ。

[使用例] 我我は文明を失ったが最後、それこそ風前の灯火のように覚束ない命を守らなければならぬ[芥川龍之介侏儒の言葉|1923~27]

[由来] 仏教の書物でよく使われる「風中の灯」というたとえから。たとえば、「大智度論―三七」には、「世間の転壊するは風中の灯のごとし(この世の中のものごとが変化して滅び去っていくようすは、風に吹かれる灯火のようなものだ)」とあります。

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精選版 日本国語大辞典「風前の灯火」の解説

ふうぜん【風前】 の 灯火(ともしび)

風の吹きあたるところに置かれた灯火。物事のはかなくもろいこと、危険に直面し、生命の今にも絶えようとすることのたとえにいう。風の前の灯火。
※往生講式(1079)「一生是風前之燭、万事皆春夜之夢」

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デジタル大辞泉「風前の灯火」の解説

ふうぜん‐の‐ともしび【風前の灯火】

風の吹くところにある灯。危険が迫っていて今にも滅びそうなことのたとえ。「組織の存立は今や風前の灯火だ」
[類語]険悪険しい不穏際どい物騒危険危難危機危殆きたい危地虎口ここうピンチ剣呑けんのん危ないやばいきな臭い呉越同舟一触即発薄氷をふむ風雲急を告げる

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