特に(読み)トクニ

デジタル大辞泉 「特に」の意味・読み・例文・類語

とく‐に【特に】

[副]普通と違って際立っているさま。他からはっきりと区別されるさま。特別。とりわけ。格別。「この夏は特に暑かった」「大ぜいの中から特に彼を選んだ」「特に用事はない」
[用法]特に・こと――「今年の夏は特に(殊に)暑かった」など、取り立てていう意では相通じて用いられる。◇「特に」は、「大事な本だけど、特にあなたにだけ貸してあげる」のように、他と区別して特別に扱う意であり、この場合「殊に」は用いない。◇「殊に」は「小さい子供は活発なものだが、殊にこの子はよく動く」のように物事程度が他と比べて一段と高い、という意で用いられる。◇類似の語に「とりわけ」があるが、全般にそうだが中でも、という意で「特に」「殊に」と同じように使われる。
[類語]殊にとりわけ別段なかんずく特別ことさら殊の外ひときわ中でも分けても折り入ってわざわざせっかく格別格段特段特殊特異別にこれと言うスペシャル

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精選版 日本国語大辞典 「特に」の意味・読み・例文・類語

とく‐に【特に】

  1. 〘 副詞 〙 ことに。ことさらに。特別に。
    1. [初出の実例]「従て本集の編纂に際しては特に自信ある代表作物のみを精査し」(出典:邪宗門(1909)〈北原白秋〉例言)

特にの補助注記

古く「ことに」と訓読されていた「特」の字音に従って用いられるようになったもの。

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