一際(読み)ヒトキワ

デジタル大辞泉 「一際」の意味・読み・例文・類語

ひと‐きわ〔‐きは〕【一際】

[副]
他と比べて特に目立っているさま。一段と。「一際高くそびえる山」「一際声が大きい」
区別せず、ひとまとめに扱うさま。
「世の中はいと常なきものを―に思ひ定めて」〈・若菜下〉
[名]
身分地位などの一つ段階
「身の数ならぬ―に」〈・若菜下〉
あるとき。一時
「(雷ハ)―はいと高くなれど、後遂げのなきなり」〈大鏡・道長上〉
[類語]特に殊にとりわけ別段なかんずく特別ことさら殊の外中でも分けても折り入ってわざわざせっかく格別格段特段特殊特異別にこれと言うスペシャルましてなおさらいわんやさらに余計一層もっとますますいよいよよりも少しもう少しずっとなお一段いやが上に数段段違い層一層しのぐもそっと今少しぐんとぐっとうんとだいぶ余程遥かひとしおうたた尚尚なおなおなお以て更なるいや増すなお且つかてて加えてそれどころそればかりかしかのみならずのみならず加うるにおまけにまた且つまた且つこの上その上しかもさてはさなきだにめぼしい目立つ引き立つ顕著水際立つ著しい際立つ光る目を引く人目を引く人目につく目に立つおも立つ値千金掛け替えのない群を抜く卓抜卓出卓越卓絶逸出素晴らしい素敵見事立派最高絶妙秀逸結構目覚ましい輝かしい妙なるえも言われぬ上手巧みうまい巧妙老巧達者器用賢い上出来上上物の見事結構尽くめ何より・申し分が無い・言う事無し天晴れナイスワンダフル目の覚めるよう目に染みる冴える抜群抜きん出る飛び抜けるずば抜ける頭抜ける並外れる人並み外れる度外れ断トツ非凡出色傑出一日いちじつの長素人離れ玄人はだし超人的やけに比較的割と割に割りかし割方割合結構大幅随分かなり相当なかなか大層すこぶるいやにえらい馬鹿余っ程とてもとってもうんと極めて極み甚だこの上ないごく極極ごくごく至極無上至上むやみむやみやたら誠に実に至ってやけっぱちやけくそ捨て鉢無性にめったやたら闇雲盲滅法飛び切り限り無い底抜け取り立てて非常全く以ていた途方もない途轍とてつもないすごくべらぼう

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精選版 日本国語大辞典 「一際」の意味・読み・例文・類語

ひと‐きわ‥きは【一際】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 身分、地位などの一つの段階。また、ある一つの身分。
    1. [初出の実例]「大納言になりて右大将かけ給へるを、いまひときわあがりなむに何事もゆづりてむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)薄雲)
  3. 細かい差別をしないで一方的にひとまとめに扱うさま。いちがい。
    1. [初出の実例]「世中はいとつねなき物を、ひときはに思ひさだめて、はしたなくつききりなる事なのたまひそよ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
  4. 一時。あるとき。一度。
    1. [初出の実例]「いかづちはいかなるぞ、ととふに、ひときははいとたかくなれど、のちとげのなきなり」(出典:大鏡(12C前)五)
  5. ( 多く副詞的に用いる ) いよいよはっきりとするさま。きわだってその状況になるさま。一段。
    1. [初出の実例]「心にまかせて、ひときは目驚かして」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)

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