狩り(読み)かり

精選版 日本国語大辞典 「狩り」の意味・読み・例文・類語

かり【狩・猟】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かる(狩)」の連用形の名詞化 )
  2. 山野で、鳥や獣を追い立ててとらえること。とくに、鹿狩り鷹狩りをいう場合が多い。狩猟。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「陽(いつは)りて校猟(カリ)せむと期(ちき)りて」(出典:日本書紀(720)雄略即位前(前田本訓))
    2. 「同じ帝(みかど)、かりいとかしこく好みたまひけり」(出典:大和物語(947‐957頃)一五二)
  3. 魚や貝などを、とらえること。すなどり。
  4. 山野に分け入って薬草、きのこなどを採ること。たけ狩りや薬狩り。とくに、薬狩りは、中古ごろまで、陰暦五月五日に行なわれる朝廷の重要な行事であった。
    1. [初出の実例]「天皇、山科の野に縦獦(カリ)したまふ」(出典:日本書紀(720)天智八年五月(北野本訓))
  5. 山野に行って、花などの美しさを観賞すること。桜狩りやもみじ狩り。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狩り」の意味・わかりやすい解説

狩り
かり

鳥やうさぎその他の小動物を対象とする個人猟と,いのしし,しか,かもしか,くまなどを対象とする共同猟とに分けられる。個人猟としては,木の枝に鳥もちをつけて小鳥をいざなう方法や,網で鳥をとる方法 (柄のついた網で沼池の水鳥を捕える逆〈さか〉どり,無双網など) ,落し,オス (材木を重ね石を置いて獣をとる) などの方法が行われた。共同猟では大勢の勢子 (せこ) を使って獲物を追出してとる巻狩が代表的で,東北地方のまたぎの狩りもそれであった。狩りは古く豊饒の儀礼と結びついていたらしく,長野県諏訪大社の御射山神事 (みさやましんじ) はその跡をとどめている。近世には,農閑期にくまの皮や胆をとるための狩りや,耕地を猪害から守るための共同猟,武士のスポーツとしての鷹狩などがあった。 (→ハンティング )  

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改訂新版 世界大百科事典 「狩り」の意味・わかりやすい解説

狩り (かり)

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デジタル大辞泉プラス 「狩り」の解説

狩り〔ヨハン・シュトラウス2世〕

オーストリアの作曲家ヨハン・シュトラウス2世の管弦楽によるポルカ(1875)。原題《Auf der Jagd》。自作オペレッタ一部を元に作曲された。

狩り〔モーツァルト〕

オーストリアの作曲家W・A・モーツァルトの弦楽四重奏曲第17番K458(1784)。原題《Jagd》。『ハイドン四重奏曲』全6曲中の第4曲。

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世界大百科事典(旧版)内の狩りの言及

【狩猟】より

…日本語で〈かり(狩り)〉というのは本来はいまより狭義に,特定の野獣のみに対して用いたらしく,《狩詞記(かりことばのき)》(多賀高忠著,1464年(寛正5)刊)には鹿に限って用いている。現代の南西諸島では猪を捕らえることだけを〈カリ〉と呼んでいるのが,中世的用語のなごりらしい。…

※「狩り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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