狩場山(読み)かりばやま

日本歴史地名大系 「狩場山」の解説

狩場山
かりばやま

渡島半島北部にある標高一五一九・九メートルの楯状火山狩場山地主峰で、瀬棚せたな町と島牧しままき村との境界をなす。近世文献カリバヤマ(松前広長「松前志」)、カリバの嶽(蝦夷迺天布利)、苅場の岳(遠山・村垣「西蝦夷日記」)などと記される。文化四年(一八〇七)八月二三日、海岸沿いを船で通過した田草川伝次郎は、「カルバ山 白糸滝三筋に分れ岩上を落る高六七丈中之一筋又二ツ分れ曲流誠に白糸ともいふべく佳景也」と当山と白糸滝について記している(西蝦夷地日記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狩場山」の意味・わかりやすい解説

狩場山
かりばやま

北海道南西部,渡島半島の北部にある火山。標高 1520m。島牧村せたな町の境に位置する狩場山地の主峰で,半島南半部の最高峰那須火山帯に属し,輝石安山岩からなる扁平な楯状 (アスピーテ) 火山で,裾野が広い。狩場茂津多道立自然公園に属する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「狩場山」の意味・わかりやすい解説

狩場山
かりばやま

北海道南西部、渡島(おしま)半島の基部にある狩場山地の主峰。標高1520メートル。檜山(ひやま)振興局管内のせたな町旧瀬棚町(せたなちょう)地区と後志(しりべし)総合振興局管内の島牧村との境界にある。かつては刈場山とも記した。山名アイヌ語の「カリンパウシ」に由来し、サクラの多い所の意である。新第三系の上に角閃石(かくせんせき)輝石(きせき)安山岩が更新世(洪積世)に噴出したものでアスピーテ型をなしている。旧国鉄瀬棚線はバスに転換されているが瀬棚から東大里まで車で行き、そこから登山するコースがある。

[瀬川秀良]

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世界大百科事典(旧版)内の狩場山の言及

【狩場山地】より

…北海道南西部,渡島(おしま)半島の北部に位置する山地。半島の最高峰をなす主峰狩場山(1520m)はすそ野の広い楯状火山で,他のメップ岳,カスベ岳などの山も新第三紀の火山岩類や火山噴出物から成る。須築(すつき)川,千走川などの深い谷によって開析されて壮年期特有の急峻な地形を成し,山地が日本海に突き出す海岸は高さ数十mの断崖,茂津多岬を形成している。…

※「狩場山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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