狩場山地(読み)カリバサンチ

デジタル大辞泉 「狩場山地」の意味・読み・例文・類語

かりば‐さんち【狩場山地】

北海道南西部、渡島おしま半島北部にある山地主峰は標高1520メートルの狩場山ブナの森の北限地。

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日本歴史地名大系 「狩場山地」の解説

狩場山地
かりばさんち

渡島半島北部、島牧しままき村と瀬棚せたな町との境界に位置する狩場山を主峰とする山地。那須なす火山帯に属する。主峰のほかフモンナイ岳(一三三七・三メートル)・東狩場山(一三一八・八メートル)・オコツナイ岳(一一七〇・四メートル)まえ(一二六〇・八メートル)くじら(八八六メートル)・カスベ岳(一〇四九・二メートル)・メップ岳(一一四七メートル)など瀬棚町・北檜山町・今金いまかね町・島牧村にまたがる山々を包含し、日本海に突き出した部分が茂津多もつた岬を形成する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「狩場山地」の意味・わかりやすい解説

狩場山地
かりばさんち

北海道南西部、渡島(おしま)半島の基部西側にある山地。日本海に面し、檜山振興局(ひやましんこうきょく)管内と後志総合振興局(しりべしそうごうしんこうきょく)管内の境界にある。狩場山(1520メートル)を主峰とし、カスベ岳、メップ岳、フモンナイ岳、オコツナイ岳、前山、鯨(くじら)山などが連なる。大部分は安山岩からなり、一部に変朽安山岩がある。須築(すつき)川、千走(ちわせ)川、小田西(おだにし)川などによって開析されている。この山地が日本海に面した所が数十メートルの急崖(きゅうがい)をなす茂津多岬(もったみさき)で、かつては蝦夷(えぞ)三険岬の一つとして船乗りに恐れられていた。現在海岸線を国道229号が通るが、岬を抜ける茂津多トンネル(1974メートル)は着工から16年を要し、1976年(昭和51)開通した。狩場茂津多道立自然公園に属し、ブナ、ダケカンバ、ハイマツなどの間にキバナシャクナゲ、エゾカンゾウ、チシマニンジンなどの高山植物のお花畑がある。

[瀬川秀良]

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改訂新版 世界大百科事典 「狩場山地」の意味・わかりやすい解説

狩場山地 (かりばさんち)

北海道南西部,渡島(おしま)半島の北部に位置する山地。半島の最高峰をなす主峰狩場山(1520m)はすそ野の広い楯状火山で,他のメップ岳,カスベ岳などの山も新第三紀の火山岩類や火山噴出物から成る。須築(すつき)川,千走川などの深い谷によって開析されて壮年期特有の急峻な地形を成し,山地が日本海に突き出す海岸は高さ数十mの断崖茂津多岬を形成している。長い間未開通であった海岸沿いの国道229号線は,1976年茂津多トンネル(1974m)が完成して全通した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狩場山地」の意味・わかりやすい解説

狩場山地
かりばさんち

北海道南西部,渡島半島の北部にあり,主として安山岩から成る火山地域。狩場山 (1520m) を主峰とし,フモンナイ岳 (1337m) ,東狩場山 (1319m) ,オコツナイ岳 (1170m) ,前山 (1260m) ,鯨山 (886m) ,カスベ岳 (1049m) ,メップ岳 (1147m) があり,渡島半島南半部の最高所になっている。須築 (すっつき) 川,千走 (ちわせ) 川,小田西川などの河川が深い谷をつくり,日本海にのぞむところは茂津多岬を中心に海食崖を形成。狩場茂津多道立自然公園に含まれる。

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